標的16 ページ16
「つまり……そこにいるAは偽物だってこと？」
チラ、とリボーンを見やる。
表情からは何を考えているのかサッパリだ。
でも、うずくまりながら獄寺君を睨みつけるAの表情は、昼間見せたあの笑顔とはまるで別人だった。
獄寺君は容赦なく胸ぐらを掴み上げる。
「テメェ何もんだ」
「ご、獄寺君……」
オレはそこで口をつぐむ。
何か、おかしい。
確証はない。
けど、あれは……
「……獄寺、隼人」
「チィッ！おい、Aをどこへやった！！」
Aじゃない。
そう、感じる。
「甘く見すぎました。良いお仲間です、ね……」
「ッ！おい、おい！」
それだけ言うと、Aは魂が抜けたように倒れ込んだ。
どこに隠し持っていたのか、乾いた音を立てて鋭い槍が落ちる。
オレたちは彼女の元へ駆け寄った。
「A！？どど、どーしよリボーン！？」
「落ち着け、よく見ろ」
「……気を失ってるだけっス」
獄寺君はそう言うと、彼女の耳元で思い切り叫んだ。
「おい！！起きやがれ！！」
んなーっ！？
そんな原始的な起こし方！？
「……ぅ」
「起きたー！？」
なんと、獄寺君の叫び声でAは目を覚ました。
「あ……ごく、でら……？」
「見りゃ分かんだろ。ったく、心配かけやがって」
「心配、してくれたんだ……？へえ……」
「してねえよ！！ニヤニヤすんな気持ち悪ぃ！」
あ、いつものAだ。
ホッと胸をなで下ろす。
「おいお前。どういうことだ」
「な、リボーン！？」
突然、リボーンが銃口を向ける。
標的は＿＿A。
それでも怯む様子はない。
「ツナ、聞いて」
「え？」
Aはいつになく真剣な表情でオレを見つめる。
「この槍で少しでも傷をつけられたら、骸に身体を乗っ取られる。注意して」
「……まずいな」
リボーンの表情が、分かりにくいけど若干険しくなる。
ふと、いくつか疑問が浮かぶが、そんなことは後回しだ。
「つまりお前はもうダメだってことだな」
「リボーン！そんな言い方……」
「いや、その通りだよ。いつまた私を使って、ツナの身体を乗っ取ろうとしてくるか分からない」
Aが小さく「……ごめん」と呟く。
「Aのせいじゃないよ！アイツが、骸が悪いんだ！」
「違う、私が一人で勝手なことしたから……みんなに迷惑かけた……！」
そう言うと突然、Aは手にした槍で自らの両足を突き刺した。
あなたの死ぬ気の炎の属性は……
雷
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佐乃(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの寝床はそのうち出るかもです……笑 (2019年7月27日 20時) (
レス) id: 0f99d84b60 (このIDを非表示/違反報告)
佐乃(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！ (2019年7月27日 20時) (レス) id: 0f99d84b60 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - 面白いです。続きが楽しみです。 ヒロインちゃんは結局どこで寝泊まりしてるんだろうw (2019年7月27日 17時) (レス) id: 5376065075 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 物凄く面白いです。 (2019年7月27日 16時) (レス) id: fa117b4385 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐乃 | 作成日時：2019年7月26日 19時
