保護者役、任されてます。【二口堅治】

8. やっぱ気になる ページ9

二口side



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あーあ、結局来てしまった。







1人で白鳥沢まで行くというAが心配で、結局学校で別れたと見せかけてちゃっかり着いてきてしまった。






さすがに同じバスに乗ったらバレるから自転車を必死に漕いで近道しまくって先にバス停付近まで行って待ってると、Aがバスから降りるのが見えた。







よし、何とかここまでは来れたっぽい。







物陰に隠れながらAの様子を伺うと、じいさんに渡された地図を見ながら意外とちゃんと正しい道順で白鳥沢へ向かっていた。






いっつも寝てばっかりでボーっとしてるし昔から危なっかしい奴だったからすぐ迷子になるかと思ったけど、あいつも成長したな…







…って俺はあいつの親かよ！







思わず自分にツッコミを入れてると、Aが力尽きたのかベンチに座り込んだ。






あれは絶対もう立つの面倒になってそのまま座りっぱなしになるな…





声掛けに行った方がいいのか？いや、でももう少し待つか。





迷いながらも結局様子を見ることにして、バレないようにこっそりAの方を見てみると、Aは丁度ベンチから立ち上がり再び坂を登り始めるところだった。






いつもなら絶対ベンチ座るとこで力尽きるのに！やっぱりあいつも成長したな。






その後、もし道を間違えそうになったら助けられるように一定の距離を保ちながらついて行くと、無事学校まで辿り着けていた。







はぁ…何かテレビで小さい子がやってる｢はじ〇てのお〇かい｣の親の気持ちがよく分かったわ。








まぁ無事に学校にも着いたし帰りはじいさんが連れて帰るし、俺も帰るか。






｢全く、手のかかる子供だな。｣








そんな事を言いながらも、俺の口元はバッチリ緩んで笑顔が浮かんでいた。

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