10あいつを起こしに ページ10
あいつの母親はあいつがまだガキの頃亡くなった
俺も、かすかに覚えている
誰にでも優しくて、誰よりもAを大切にしていた
Aも母親が大好きだった
だけど、あいつの母親は事故でなくなった
当時、その現場に居合わせたガキだった俺に、Aの母親は言った
『かつき…くん、Aのこと…よろしく…ね』
『……』
『あの子…あさ…よわいから…起こしてあげて…
…なんて…ね…』
消えそうな声で…最後の力を振り絞るように
そう言った
『ふたりの…幸せを…願っているから…ーーー』
血なのか涙なのか分からねぇもんが、
もう一生開くことのない閉じた瞳から一滴、
流れ落ちた…
･
「…ん…」
…夢か…くそ…
朝っぱらから…最悪な気分だ
ベットから降りて少しの間ボケっとした
…Aの野郎…起こしに行かなきゃいけねぇ
クソ面倒せぇ
「…」
昨日のあいつが頭に浮かんできた
勝己、そう呼んで、
にこにこしながら手を振ってやがった…
�犁�こしに来てくれる？��
そう言ってじっと見つめてきた
ほんとに、ガキだ、あの女は…
･
ピーンポーン
「………あんのクソ女…」
あいつのアパート、部屋の前まで来てインターホン
を鳴らすが返事がねぇ、寝ていやがる
蹴り飛ばしてたたき起こしてやる
ポッケから合鍵を出して、いつも通り勝手に
上がり、あいつの部屋に入った
「…おいA…てんめぇ
起きる気まったくねぇじゃ…ーーー！！」
「…ううん…あとちょっと…」
スースー寝息をたてて気持ちよさそうに眠るA
「…」
近ずいて、そばで座り込み顔をのぞきこんだ
「…ふふ…おなか…ふいたあ…」
「…おいデブ」
「…ん〜」
「…ふざけんな…」
ふざけんな…毎日毎日こんなガキ見てぇなやつ…
ガキみぇな…やつ…
「……可愛すぎんだよ…クソが…」
そっとAの頬に触れた
「…ん…か…ちゃん…」
「！！！！」
触れると同時に目をかすかに開けた
「て、てめ、起きてんじゃ…」
「かっちゃん…！！」
「…あ？……おわっ！！！！」
俺に襲いかかってきて
思いっきりベットから転げ落ちたA
俺は思いっきり後頭部を床にぶつけた
「…いってぇなぁ！！てっ…てめぇ 殺すぞ！！！」
「……ん…かつ…き」
「！！」
寝ぼけながら俺に抱きついて離れねぇ
「お、お、…お…」
俺の上に乗っかって寝たまんま、身動きが取れなくなっちまった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 483人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シズク(プロフ) - きっこさん» きっこさんありがとうございます！(；；)続篇に移りましたが頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2018年7月26日 8時) (
レス) id: 6007a626ed (このIDを非表示/違反報告)
きっこ - 話の展開が気になりすぎてヤバいです！毎回更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年7月25日 18時) (レス) id: 18af6740d4 (このIDを非表示/違反報告)
シズク(プロフ) - おかさん» ご指摘ありがとうございます、以降、気をつけます…。 (2018年7月15日 23時) (レス) id: 6007a626ed (このIDを非表示/違反報告)
シズク(プロフ) - 琉唯さん» ありがとうございます！頑張って面白い話考えますので今後もよろしくお願いします！！(^O^) (2018年7月15日 23時) (レス) id: 6007a626ed (このIDを非表示/違反報告)
おか - ２１ページの緑谷が緑屋になってます (2018年7月15日 20時) (レス) id: 6bb468f785 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シズク | 作成日時：2018年6月30日 16時
