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37.holiday。 ページ37

「金魚ちゃんたちさぁ、帰りたくないんだったら帰らなきゃいいのに。オレたちも帰らないしさぁ、一緒にガッコー残ろうよ。あはっ。」

突如現れたフロイドは僕の脇をつかみ、車椅子から抱き上げ、高く持ち上げた。

自分自身もいきなりのことで困惑しているが、それ以上に周りはびっくりしたのか口をパクパクとさせている。

「突然なんだい、フロイド!!セシルを今すぐおろせ!!それに何も知らないくせに、口を挟まないでくれないか!不愉快だ!」
「そうですよ。何かあってからではおそいんですよ?それにご家庭の事情にむやみに首を突っ込むものではありません。」

リドルとジェイドの言葉が響いたのか、渋々と車椅子へとおろしてくれた。


「えー?だってさあ、ジェイド。いつも同じメンツで年越しすんの、つまんないじゃん。アズールも金魚ちゃんとユカタハタちゃんなら小さいから飼っていいって言うと思うし〜。」

そのフロイドの言葉にリドルは顔を赤くして震え出す。
まずい、と思った時には既に遅かった。

「今、なんとお言いだい?…ハーツラビュルの長たるボクによくもそんな口がきけたものだね。今すぐ首をはねてやる!!」
「ちょ、リドル…!!」

「リ、リドルくん!ここで喧嘩はヤバいって!」
「落ち着け、リドル。またあいつのペースにハマってるぞ。」
「うぎぃい…!!」

ケイト先輩が巧みに話を逸らしてくれ、リドルの機嫌も少し良くなった。

『安心感』

に満たされる。

みんなが色んな表情を見せてくれていて、みんなの輪の中に僕がいて、リドルがいて。

大丈夫。

僕らにはちゃんと『居場所』がある。
『拠り所』がある。

「ボクらはこれで失礼する。みな、良いホリデーを。」
「"またね"、みんな。良きホリデーを。」

そうして僕らは鏡に足を踏み入れた。

「僕、みんなでケーキを囲んで色んな話がしたいな。」
「そう、だね。ボクたちなら大丈夫だ、きっと。」

家へ、帰ろう。

家族の元へ帰ろう。

『家族』と向き合う為に。

38.reveal。→←36. homecoming



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(名前)(プロフ) - あぁ…良い…でも見ていくうちにどんどんりどるのゲシュタルト崩壊が… (2023年1月25日 7時) (レス) @page8 id: 2e5d9e36c3 (このIDを非表示/違反報告)
ののの - 素晴らしかったです!!!!😭 (2022年9月19日 0時) (レス) @page42 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
♦nana♦ - とても最高でした! 私も、自分らしく自由にいていいと思うことができて、とても嬉しかったです!応援しています! (2022年1月1日 21時) (レス) @page42 id: 16b63c63b8 (このIDを非表示/違反報告)
シン - 神な作品ありがとうございます!!これからも応援してます! (2021年5月29日 10時) (レス) id: 0fa80a0c97 (このIDを非表示/違反報告)
病葉 - いやぁ…あのリドルの悲痛の叫びを花江夏樹が…今をときめく鬼狩りの少年がよぎったのは気のせい? (2020年10月23日 22時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小坂谷 真夜 | 作者ホームページ:@lag0n027  
作成日時:2020年5月17日 22時

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