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32.breakfast。 ページ32

「おはよう、セシルくん!」

目が覚めると日付は変わっており、どうやらケイト先輩が昨日から看病してくれていたみたいだった。

どうやらみんな交代で看病してくれていたようだ。
初めは起きたばかりのリドルが1人ですると頑なに譲らなかったのを交代でしようと説得したらしい。

時計を見るともう6時半になっていて朝食を取りに行かねばとベッドを降りようとすると足から崩れていく。

「無理して動いちゃダメだよ、まだリハビリもしてないんだから。1週間も眠ってたら感覚へんでしょ?」

そう言って僕を起こしてベッドの上にもう一度寝かせてくれる。

なんでここまでしてくれるんだろう、と疑問にも思ったが気にしないでおこう。

単にケイト先輩の好意なのかもしれないし、いつもとは違った朝にどこか安心感を覚えていた。

毎朝起きる度に憂鬱だったのが、なんだか気分がいい。

「それじゃあ食堂行こっか。」

そう言ってケイト先輩は車椅子を用意してくれた。
当面は午後にリハビリ、それ以外は車椅子を使わざるを得ないらしい。

「なんか、色々すみません。」
「いいのいいの!やりたくてやってるんだから気にしないでよ!!」

慣れないながらに車椅子を押してくれるケイト先輩を見て、次は『すみません』じゃなくて『ありがとう』を言おうと思った。

少しでも、少しでも多く変わらなくちゃ。


「セシルくんは何食べたい?」
「食パンとサラダと……あっ」

リドル達は既に席に着いているらしく、朝食を先に取りに行った。

気がつけばリドルが何を食べているのか目で追って答えていた。

いつもの癖だ。

『変わらなくては』

その想いがどんどん強くなっていくと、ケイト先輩が僕の頭に手を置いた。

「セシルくん、ちょっとずつでいいんだよ。多分、無理に変わろうとしても苦しいだけだし、きっとそう簡単にセシルくんの中の『リドルでなくちゃいけない』って"概念"は消えないだろうから。それにさ、変わらなくちゃって急いでも、それは『セシルくん』に変わるわけじゃないでしょ?ゆっくり自分を見つめ直そうよ。」
「は、い。すみま……いえ、ありがとうございます、ケイト先輩。」

今日はマフィンとスープにでもしてみようか。

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(名前)(プロフ) - あぁ…良い…でも見ていくうちにどんどんりどるのゲシュタルト崩壊が… (2023年1月25日 7時) (レス) @page8 id: 2e5d9e36c3 (このIDを非表示/違反報告)
ののの - 素晴らしかったです!!!!😭 (2022年9月19日 0時) (レス) @page42 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
♦nana♦ - とても最高でした! 私も、自分らしく自由にいていいと思うことができて、とても嬉しかったです!応援しています! (2022年1月1日 21時) (レス) @page42 id: 16b63c63b8 (このIDを非表示/違反報告)
シン - 神な作品ありがとうございます!!これからも応援してます! (2021年5月29日 10時) (レス) id: 0fa80a0c97 (このIDを非表示/違反報告)
病葉 - いやぁ…あのリドルの悲痛の叫びを花江夏樹が…今をときめく鬼狩りの少年がよぎったのは気のせい? (2020年10月23日 22時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小坂谷 真夜 | 作者ホームページ:@lag0n027  
作成日時:2020年5月17日 22時

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