23.wish ページ23
無事にマジフト大会も終わった。
どうやら裏で色々あったらしいが僕は何も知らない。
関わらせてすら貰えなかった。
あの1年生達は、リドルに頼られてるのに。
僕は頼られなかった。
『悔しい』
そんな思いを胸に留め、いつも通り放課後に教室で、期末試験に向けて勉強をしていた。
「おや、浮かない顔をしていますね、セシルさん。」
「ジェイド…。一体何の用だい？」
クスクスと口に手を当てて僕の隣にやってきたのはジェイドだった。
とてもやりにくい相手。
何を考えているか分からない。
リドルが苦手だ、というのもよくわかる。
「いえ、たまたま通りかかったところ、悩む姿のセシルさんが見えたので。なにかお悩みでも？」
「ただ、勉強してるだけだよ。」
「へぇ、勉強ですか。」
アズールからの手回し、だろうか。
オクタヴィネルは今怪しい動きが多い。
アズールが何でも願いを叶えてくれる、というのは知っていたが、この時期、期末テストの時期はやけにその噂が絶えない。
みんなアズールの対策ノート狙いだろう。
しかしそんなものに頼ればリドルが激高するのは目に見えているし、僕はそんなものに頼るつもりは毛頭なかった。
「言っておくけれど、君たちのその手には乗らないよ。僕は自力で勉強する。」
「まさか！セシルさんにアズールの対策ノートが不要な事など分かっていますよ。」
だとすればなぜジェイドは声を掛けたのか。
僕の疑いすぎたろうか。
それとも『リドル』関連だろうか。
冷や汗が伝う。
「他にお悩みがあるのでは？」
「……あっても君には言わないね。」
次にジェイドから発せられる言葉を恐れた。
『恐い』
ただそれだけで埋め尽くされていたが、自分の予想していた反応ではなかった。
ジェイドは目を丸くしてこちらを見ている。
まるで僕を『恐れている』ような。
「な、なんです……それはっ…！」
「え……？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2243人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(名前)(プロフ) - あぁ…良い…でも見ていくうちにどんどんりどるのゲシュタルト崩壊が… (2023年1月25日 7時) (
レス) @page8 id: 2e5d9e36c3 (このIDを非表示/違反報告)
ののの - 素晴らしかったです！！！！😭 (2022年9月19日 0時) (レス) @page42 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
♦nana♦ - とても最高でした！ 私も、自分らしく自由にいていいと思うことができて、とても嬉しかったです！応援しています！ (2022年1月1日 21時) (レス) @page42 id: 16b63c63b8 (このIDを非表示/違反報告)
シン - 神な作品ありがとうございます！！これからも応援してます！ (2021年5月29日 10時) (レス) id: 0fa80a0c97 (このIDを非表示/違反報告)
病葉 - いやぁ…あのリドルの悲痛の叫びを花江夏樹が…今をときめく鬼狩りの少年がよぎったのは気のせい？ (2020年10月23日 22時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
