21.abduction ページ21
「あれれ〜？リドルくん。マジカルペンなしにそんな強い魔法を使って大丈夫ッスか？」
「えっ？…あ、あれ？ボクのマジカルペンがない！」
ラギーのその言葉でみんながハッとする。
リドルのマジカルペンだけじゃなく、ケイト先輩のペンも無くなっていた。
僕は両手でラギーと僕の2人分の勉強道具を抱えているため、マジカルペンは抜けない。
そもそもこの状況すらあまり呑み込めていなかった。
「ってわけで、こんなとこでボコボコにされちゃたまんないんで、退散させてもらうッス！ばいばーい♪」
更にラギーに手を引っ張られて混乱する。
なぜ僕はラギーに引っ張られているのだろうか。
「え、ちょ、ラギー！！べ、勉強道具が落ちてしまったよ！？」
「真面目ッスねぇ、セシル君。とりあえず行くッスよ。アレは後で拾えばいいし、分かんないところは後で教えてあげるッスから。」
「ええええぇ！？」
どうやら混乱しているのは僕だけではないらしい。
ケイト先輩も口をあんぐりしてこちらを見ている。
リドルに至っては顔を真っ赤にして爆発寸前だった。
「くっ……待て！セシルを返せ！！！止まらないと首をはねるぞ！『オフ・ウィズ…』」
「ちょっと待った、リドルくん！やっと身体からブロットが抜けたばっかりなんだから、ダメだって！それにセシル君も巻き込んじゃう！」
すると向こうからやってきたエースとデュースを見つけたケイト先輩とリドル。
リドルは魔法を使えないものの、もう既に爆発していて、2人に向かって怒鳴っていた。
「連続傷害事件、マジカルペン窃盗及びセシル誘拐の犯人が逃げた！キミたち、今すぐラギー・ブッチを捕まえろ！さもなくば、おわかりだね！？」
とんだとばっちりだろうな。
だけど、
ちょっとだけ、この状況を楽しんでいる自分がいる。
『ナニカ』に満たされてる自分がいる。
いつも『セシル』と呼ばれる度に満たされる『ナニカ』が凄い勢いで僕を包んでいく。
誘拐されるのも、少し悪くないかもしれない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2243人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(名前)(プロフ) - あぁ…良い…でも見ていくうちにどんどんりどるのゲシュタルト崩壊が… (2023年1月25日 7時) (
レス) @page8 id: 2e5d9e36c3 (このIDを非表示/違反報告)
ののの - 素晴らしかったです！！！！😭 (2022年9月19日 0時) (レス) @page42 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
♦nana♦ - とても最高でした！ 私も、自分らしく自由にいていいと思うことができて、とても嬉しかったです！応援しています！ (2022年1月1日 21時) (レス) @page42 id: 16b63c63b8 (このIDを非表示/違反報告)
シン - 神な作品ありがとうございます！！これからも応援してます！ (2021年5月29日 10時) (レス) id: 0fa80a0c97 (このIDを非表示/違反報告)
病葉 - いやぁ…あのリドルの悲痛の叫びを花江夏樹が…今をときめく鬼狩りの少年がよぎったのは気のせい？ (2020年10月23日 22時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
