13日目 ページ14
「あなたマスク外したらもっとイケメンと言う稀な類なので大丈夫ですよ。」
「……意味わかんねー。」
三途君はふいとそっぽを向いてしまった。
なにかおかしなことしか言ってない気がするが、まあいいかと開き直る。
私は立ち上がり、台所へ向かった。
冷蔵庫の中には万次郎がいつ来てもいいように一通り揃えてある。万次郎は当分来なさそうだし、少し使っても問題ないだろう。
三途君は何が好きなんだろう。
私は三途君に聞こうとリビングに顔をのぞかせると
まだ床に座ったままの三途君がいた。
私はぎょっとする。
「いつまでそこ座ってるんですか。
椅子に座ってください。さっきまでの態度はどこいっちゃったんですか。」
「いや、あー……酔いが冷めた。」
そう言いながら椅子に座る三途君。
お酒でも飲んでたのだろうか。
だとしたらそうとう呑まれてたな。
「好きな食べ物とかあります？」
「……なんでも良い。」
じゃあ、王道のハンバーグにしよう。
私は具材を取り出し、手際よく調理し始めた。
「お前ん家、テレビも電話も無ぇな。
不便だろ。」
「電気代が勿体ないじゃないですか。
私、両親を亡くしていて親戚も居ないんですよ。
だから金銭の余裕があまりなくて……」
ヘラりと笑うと、三途君はへぇと興味なさげにそっぽを向いた。
「……なあ。」
「なんです。」
よく喋るなこの人。
手を動かしたまま、話を聞く。
「……本当に俺が何者か知らねェんだな。
マイキーが今何してるか知ってるのか？」
その言葉に思わず手を止め三途君の方を見る。
確かに、今の万次郎のことは本当に何も知らない。
聞いちゃいけない気がして、聞いたら壊れそうで
聞けないでいた。
万次郎は今、なんの仕事をしてどこで暮らしているのだろう。
私の思考を読み取るように、三途君はニヤリと笑う。
「……梵天って、知ってっか？」
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雪ん子(プロフ) - 最高です！！ってことは最終話軸？最終話時空の話見るの初めてなので何だか新鮮でした！！ (7月23日 11時) (
レス) @page30 id: fa924563b5 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - 瀬琉ﾁｬﾝ.さん» コメントありがとうございます。そう言って貰えて光栄です……！ (2022年8月6日 2時) (レス) @page30 id: f3216aef7e (このIDを非表示/違反報告)
瀬琉ﾁｬﾝ. - とても深いストーリーに感動しました...!! 本誌の内容が良い感じに組み込まれつつハッピーエンドで完結できる作者さんの文才うらやましいです((( (2022年8月2日 23時) (レス) id: e12b8018fd (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - 七瀬太さん» コメントありがとうございます！私もとても楽しみにしています！ (2022年7月30日 16時) (レス) id: f3216aef7e (このIDを非表示/違反報告)
七瀬太 - すごい泣ける🥹公式？の方の最新刊も本当に楽しみです！ (2022年7月25日 16時) (レス) @page30 id: 320abee8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らずぴす | 作成日時：2021年9月24日 9時
