12話 ページ13
「よおレオナ来たぜ〜。」
「おう。」
まあ、あっという間に休日が来て、
一応バレたらマズイので転移魔法で朝からレオナの部屋に遊びに来た。
レオナはそっぽを向いて寝っ転がっているが、安定に尻尾が物語っている。耳も俺の立てる音を敏感に拾っている。素直で可愛い弟だ。
「……昨日サラダ入れただろ。」
「嗚呼、ちゃんと食ったか?まさかあのハイエナの少年にあげてないよなあ。」
俺はレオナと少し距離を置いてベットに座る。
それを見たレオナはムッとして俺の膝に仰向けに
頭を乗せる。
「……食った。」
野菜嫌いのレオナが野菜を食うなんて……兄ちゃん感動してるぜ。俺はレオナの頭をクシャクシャになるまで撫で回す。口では拒むようなこと言っているが、もっと撫でろと言わんばかりに頭を擦り寄せてくる。
父さんと母さんはファレナ兄に付きっきりだったから、レオナの面倒は俺が見てたなあ。随分甘やかして育ててしまった。
「なあ、耳と尻尾だせよ。」
そう言えば魔法で隠しているんだった。
俺は魔法を解く。耳と尻尾があらわになり、一気に聴覚と嗅覚が鋭くなる。
「これで満足か。」
「おう、やっぱり俺の兄貴だ。」
気の抜けた笑みを見せる弟。
普段とのギャップが凄い。
「そう言えば、ハイエナの少年の名前はなんて言うんだ。」
「あいつはラギーだ。うちの国の貧民街出身のハイエナだよ。俺はあいつの態度と威勢をかってるんだ。」
レオナが楽しそうに語るのを見て、王室に帰りたくない理由がわかった。ここには慕う後輩も、叱ってくれる人もいる。誰もがレオナ自身を見ているのだ。
「お前が留年する理由が分かったよ。」
「Aが王室に戻れば俺はいつでも戻るがな。」
そう言われて俺は苦い笑みを浮かべるしかなかった。
レオナは少し悲しそうな顔をして俺から目を逸らした。
「俺が出ていった理由はいずれ必ず話す。
お前を信用してないわけじゃないんだ。ただ、今はお互いの身を守るためにもその方がいい。」
レオナは溜息をつき、わかったよと一言。
俺の弟は理解が良くて助かる。
でも、
「もっと駄々こねていいんだぞ。
数年分我慢お前にはその権利が充分にある。」
俺はそう言ってレオナの腹をくすぐった。
まだまだ休日は長い。
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零(プロフ) - 続きが速く見たいです! (2023年2月11日 16時) (レス) @page30 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - 洸さん» 返信遅くなってすみません……!そう言って頂けて本当に嬉しいです!更新頑張ります! (2022年7月31日 15時) (レス) @page30 id: f3216aef7e (このIDを非表示/違反報告)
洸 - えっちょ、は?神か?神だな?貴方は神だな?誇張じゃなく神だな?神ですね?え、今まで見た中で最高ですよコレ。更新待機しますよマジで。 (2022年4月23日 21時) (レス) @page27 id: 2f1dccb094 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - 舞さん» 返信遅くなり申し訳ございません……ありがとうございます! (2021年11月17日 19時) (レス) id: bc678a6855 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2021年11月7日 2時) (レス) @page24 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らずぴす x他1人 | 作成日時:2021年8月21日 5時