10話 ページ11
｢ういー、お疲れ！こんな大勢でやることないから楽しかったよ！｣
｢えーAちゃんすげぇ。俺もぉへとへとー。｣
閉店時間はあっという間に来た。
指示したり教えたりするのは久しぶりでなんかとても楽しかった。
｢Aさんはまだ大丈夫なようですね。｣
｢まあな、ジェイド。お前ら三人にジェラートのコツと秘伝のタレの一つを教えるくらい容易いぜ。｣
俺がそう言うと三人は目を輝かせる。
男子高校生……眩しい。
｢秘伝のタレって教えたら秘伝じゃなくなるじゃん。｣
｢俺は何十種の秘伝持ってるから。
一つお前らにあげたって構わないさ。｣
熱心な三人に、俺は作りながら教えた。
アズールは必死にメモし、ジェイドは一工程ずつ質問し、フロイドは見て覚えたようだった。
三人とも天才か。
｢Aさん、今日はラウンジの厨房を頼まれて頂きありがとうございました。例の報酬ですが、どうしましょう。｣
アズールの言葉にそうだったと思い出す。
報酬三倍、あれ冗談だったんだけど。
あ、でも……
｢皆の人魚姿が見たい。嫌なら構わないが。｣
アズールはぎょっとし、双子はケラケラと笑った。
｢あは、Aちゃん面白いねぇ。いーよこっちおいで。｣
フロイドに手を引かれ、ラウンジの奥へ進む。
そこには水族館にありそうな巨大な水槽が設置されていた。サンゴ礁などはあるが、魚が1匹もいない、
食堂くらいの大きさの水槽。
｢ちょっと待っててくださいね。｣
ジェイドがそういうなり、双子はどこかへ駆けて行った。取り残されたアズールは
｢人魚の姿はどうにも嫌で……僕は遠慮しておきます。｣
と眼鏡を押しあげながら呟いていた。
なかなか子供っぽいところもあるのかもしれない。
しばらくしてドボンと飛び込む音が聞こえ、俺はその光景に息を飲む。
双子の楽しそうな泳ぎ、その美しさに見入ってしまう。
｢すごい……。｣
俺らは水とは遠いところで暮らしているから、
とても新鮮だ。
｢今日はありがとうございました。
双子たちはしばらく泳いでるでしょうから、お先にお帰りになってください。｣
｢こちらこそありがとう。また手伝いに来る。｣
アズールと双子にひらひら手を振って俺はラウンジを出た。
やっぱりとても楽しい奴らだった。
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零(プロフ) - 続きが速く見たいです! (2023年2月11日 16時) (
レス) @page30 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - 洸さん» 返信遅くなってすみません……！そう言って頂けて本当に嬉しいです！更新頑張ります！ (2022年7月31日 15時) (レス) @page30 id: f3216aef7e (このIDを非表示/違反報告)
洸 - えっちょ、は？神か？神だな？貴方は神だな？誇張じゃなく神だな？神ですね？え、今まで見た中で最高ですよコレ。更新待機しますよマジで。 (2022年4月23日 21時) (レス) @page27 id: 2f1dccb094 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - 舞さん» 返信遅くなり申し訳ございません……ありがとうございます！ (2021年11月17日 19時) (レス) id: bc678a6855 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2021年11月7日 2時) (レス) @page24 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らずぴす x他1人 | 作成日時：2021年8月21日 5時
