羽が6枚 ページ9
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固く閉ざされた体育館の扉。
扉は閉まっているのに、外にいるのに感じることの出来る熱気。あぁ、開けたくない。そう、Aは思う。開けるのには、慣れたとはいえ力がいるし、大きめの音も出る。
いきなり知らない人が入ってきたら驚くだろう、とコンコンコン、と3回ノックする。
ガララッと音を立てながら開く体育館特有の扉。Aは、失礼します。と声をかけながら中には行っていった。扉を開けると、部員が皆こっちを見てくる。
｢お、来たか!!｣
早速声をかけてくる
｢片桐じゃん。どうしたの？ジャージまで着て……｣
ざっと顔を見た中で、唯一Aが知っていた縁下が驚いた様子で話しかけてくる。「なんでん？え？まさか……!」となにやら、Aがビックリする程驚いていた。
｢なんだ、縁下。この人のこと知ってるのか?」
「も、もしかして…………
え、縁下、お前の…お前の……
か、彼女か!?彼女なのか!?｣
「なんで縁下には彼女ができて俺にはできないんだー！！！」と四つ這いで肘をついた状態の西谷は体育館の床をドンドンと叩いて嘆く。相当悔しかったらしい。
Aからしたら意味がわからない、迷惑でしかなかった。どうしてそうなるのか、と彼女は西谷の回答に思わず心の中で悪態をつく。
｢逆にお前らこいつのこと知らずにマ、マネージャーを頼んだのか!?｣
｢あ？あぁ。えっ、なんか不味かったか？｣
｢色々有名なんだけど……｣
自分達で聞いておいて、マジか〜と頭を抱える木下と成田。
『ねぇ、主将さんどこ』
縁｢……あ、あぁ、あの人だよ。あの真ん中の｣
『そう、どうも』
声をかけられてハッとした縁下から、主将が誰か聞き出す。そして、またもや呆然としている主将さん方のところへ向かった。
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作者名：七瀬月華 | 作成日時：2021年7月29日 15時
