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「あー、萩なら…」
じんぺーが言いかけた時、後ろのドアがガラッと開いた
「悪い悪い…遅れちまって。いやー来る途中の長ぇ階段でおばーちゃんが立ち往生してて、おぶって階段上がったら、さっき神社でひいた大吉のおみくじ落としたなんて言うからよォ…探しても見つからねーし、神社に戻って大吉が出るまでおみくじ引きまくってたらこんな時間になっちまったんだ…」
(((絶対ウソだろ…)))
「「「やっさしィ〜♡」」」
うわ、温度差エグ笑
じんぺー除く私らの目が点になった
ハハ、女子の沸点?分からん…
とか色々考えているといつの間にか二次会でカラオケに行く流れになったらしい
支払いを済ませて店を出る
少し先でハギが女子達とキャイキャイはしゃいでいるのを横目にボーッと歩いていると、見知らぬおじさんがヒロに話しかけた
何でもハギのあの話は(性別以外は)ホントのことだった様だ
まじか。んなことあるんか。いや、ハギだからか。
と自己完結していると、目の前で少女が転んだ
どうやら両親と繋いでいた手を振りほどいて、少し先にあるキャラクターの風船に走っていたところらしい。
じわじわと滲む涙を見ると、いてもたってもいられなくなった
『君、大丈夫か?』
片膝を着いてしゃがみ、もう片方の足に少女を座らせる。
目線を少女の膝に下ろすと、軽くではあるが擦りむいている
「すみませんうちの子が…」
すぐに両親が駆け寄ってくる
『いえ、大丈夫です。少し擦りむいてしまったみたいなので、よろしければ簡易的な処置だけさせて頂いてもよろしいでしょうか?』
「それは全然構いませんけど…」
『君も、いいかな?』
少女に問いかけると涙を堪えながらこくんと頷いてくれたのでウエストポーチからピンセットとコットンと消毒液、絆創膏を取り出す
『ちょっと染みるかもだけど、すぐ終わるから頑張ろうな』
そう言って、消毒液をかけると肩口の布がぎゅっと握られた
手際よく処置を済ませ、立たせてみると気持ちが少し落ち着いた様だ
『泣かなくて偉かったな。これ、お守り。これからは気をつけてな。』
そう言って少女の手に桜がモチーフになったキーホルダーを握らせる
気に入ってもらえたようで、ぱぁっと花が咲いたように笑って、大事そうに握りしめた後、「おにーさん、ありがとう!!」と両親の元に駆けて行った
…おにーさんではないけど、笑顔になって良かった
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (6月6日 16時) (レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥希 | 作成日時:2022年5月4日 23時