あの景色をもう一度【ハイキュー】 (ページ6)

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第4球夏の亀裂ページ6

Aside

〜北川第一時代〜

また、勝てなかった…

？『なんでお前が1番泣いてるの』

みんな頑張ってるのに…

？『頑張ったはお前も一緒だろ』

なんで…

？『なんで…だろうね』

これじゃ去年と同じだ…

？『でも…来年はAたちの番だよ』

私がもっとサポート出来てたら…

？『リベンジしておいで！』

夏の県代表決定戦

またしても王者白鳥沢学園に破れた

1度学校に戻り

ミーティングも終えたこの時間

私も最後の片付けを終え帰ろうとしていた

影「お疲れ様です」

「！……………影山くんまだ残ってたの？」

影「いま、時間いいですか？」

「うん、大丈夫だよ」

影「1つ聞きたいことがあります」

「…どうしたの？」

影「どうして…そんなに苦しそうなんですか？」

「……………え？」

一瞬、何を言われているのか分からなかった

影「試合に出ているわけではないのに、なんでそんなに悔しそうなんですか？」

確かにとても悔しかった

でも選手たちの前でそれを口にしたことはない

あの人の前以外では…

影「なんで誰よりも悲しそうなんですか？」

しかし

どういう訳か彼には見破られていたらしい

彼に悪気はないのだろう

でも、その純粋な彼の疑問が

私の心に容赦なく突き刺さる

「なんで…だろうね」

影「？？？」

うそ……………本当は分かってる

ボールに触りたい

コートの中で皆と勝利を分かち合いたい

でも今の私には出来ない

あの頃とは違うのだ

だって、私はもう選手じゃない

1番悔しいのは選手たちなのだ

それは自分もよくわかっている

そのつもりだった

なのに私は何を思い上がっていたのか…

「1番悔しいのは皆なのに…ごめんね…」

決勝戦で敗退した私たちの代は

それまでの役目を後輩たちに託し

すぐ引退となった

部を離れてしまえば

毎日会っていた部員たちとも疎遠になる

すれ違えば

たわいもない話をしていた子とも

軽い挨拶で済ますようになった

彼に至っては

あの会話を最後に

1度も話さないまま

“第〇回北川第一中学校卒業式”

私は卒業した

***

過去編はちょっとずつ詰めていく予定です
“あの人”は青城の彼ですよ