あの景色をもう一度【ハイキュー】 (ページ43)

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第41球秋の不協和音ページ43

Aside

～北川第一バレー部引退後～

暑さも和らぎ、風も涼しくなってきた頃

学校へ行き、授業を受けて

クラスメイトとたわいもない会話をし

帰宅して、また勉強

部活を引退後はそんな代わり映えのない日々を過ごしている

そんな中、つい1週間程前に先生からの呼び出しを受けた

話を聞けば、そろそろ進学希望先を決定しろというお達しだった

周りは志望校を定め、着々と将来を見据える中、私の進路希望用紙はまだ空白のまま

ここ近辺の高校を受験するには十分な成績はある

何校からか推薦も届いているらしい

別に考えていなかった訳ではない

なんなら“彼”が卒業した頃からずっと悩んできた問題だ

牛『霧谷が居ながらなぜ才能を生かせない？』

岩『Aは十分過ぎるくらい努力してた。要は問題は俺たちだろ』

影『なんで誰よりも悲しそうなんですか？』

及『俺、青城で待ってるからね！』

この2年間で受け取ってきた言葉を思い返し

とうとう私は決断した

今日は及川さんに会う日

岩泉さんと共にバレーの強豪校へ進学した彼はとても忙しい

春高本戦に向けて練習がハードになっているし、私が受験生ということもあり、会うのはとても久しぶりだ

校門を出て、待ち合わせ場所に向かうところで

及「A！」

「…！」

及「予定より早く終わったから迎えに来ちゃった」

と、嬉しそうに手を振る及川さんが居た

及「じゃあ、行こっか！」

そしていつもの様に私の手を取り歩き出した

途中で立ち寄ったコンビニで飲み物を買い、本来の待ち合わせ場所であった公園のベンチに座る

及「はい、ココア」

「ありがとうございます」

及「ねぇ、いつも言ってるじゃん！俺と2人の時は…」

「ありがとう(ﾆｺ」

及「あ〜、もう本当に可愛い！」

そう言って、私を抱き締めた

温かい

彼の心が

本気で私を大切に想ってくれている

だから私も言わなくてはいけない

「あの、及か…」

及「A？」

「…徹くん、話したいことがあるの」

及「………何？」

「私たち………もう一緒に居るべきじゃないと思う」

及「…！ちょっとそれどういう事？」

「………」

及「なんで？俺、何か嫌なことしちゃった？」

「違う、徹くんは悪くない！……私の問題だから…」

及「ちゃんと話してくれなきゃ分からないよ！」

こうやって

また、私は大事な人を傷つけるんだ

***

ごめんね、徹くん