あの景色をもう一度【ハイキュー】 (ページ11)

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第9球秘密の特訓ページ11

菅原side

菅「日向、よそ見すんな！」

日「俺も打ちたい！俺にもトス上げてくれよ！」

俺とレシーブ練習をしていた日向は、コートでスパイクを打つ田中を見てずっとソワソワしていた

田中のスパイクが綺麗に決まったところで、とうとう我慢の糸が切れたのか、影山にトスをねだり始めた

影「嫌だ」

日「なんだよ、ケチか！」

ﾊﾞｼｯ

影「正面だぞ、今の。レシーブあってのトスと攻撃だ。それがグズグズのくせに偉そうに言うな」

言い方きっついな

でも日向は日向で、ずいぶんスパイクを打ちたがるな

日「俺が満足にレシーブできるようになったら、お前は俺にもトスを上げんのか」

影「勝ちに必要な奴になら、誰にだってトスを上げる。でも俺は、今のお前が勝ちに必要だとは思わない」

田「感じ悪！！」

菅「ちょちょいって上げてやればいいのに」

「影山くん…あなたは何のためにトスを上げるの？自分の勝利にこだわりすぎると、また同じことの繰り返しだよ」

………？

影「っ………！」

「あっ！そろそろ切り上げないと大地さん来ちゃいます！！」

田「やっべ！？早くしろー、痕跡を消せ！」

菅「田中、モップ持ってこい！！」

「2人は早くボール！」

日「はい！」

影「……。」

澤「放課後は新しいヤツも練習に加わるから、よろしくな！じゃあ、お疲れしたー！」

「「「「したーー！」」」」

『あなたは何のためにトスを上げるの？』

Aちゃんの言ったあの言葉が俺の中でずっと引っかかっていた

菅「なあAちゃん…さっき、影山だいぶ落ちてたけど、あんなこと言って大丈夫だったのか？」

「どうなんでしょう………でも、今のままではいけないって事は、本人もよく分かっているはずです。どうしたらいいのか分からないだけで…」

菅「影山、バレー以外のことは不器用そうだもんなぁ。…まあ、お前らに何があったか知らないけどさ、あんまり思い詰めんなよ」

ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

普段笑顔しか見せない彼女が、少し切なげな表情をするものだから、気づいたら頭に手が伸びていた

「……！別に私は、皆さんに楽しくバレーしてもらいたいだけです」

菅「そっかそっか、Aちゃんは優しいな」

「もう、スガさん！髪ぐちゃぐちゃになっちゃいます！！」

***

俺は何のために、トス上げてたんだっけ

『スガー！！もう1本！！』

『頼む、‐‐‐！！』

早く戻って来てくれよ、エース