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第10話 ページ11




そんな時に、先生が入ってきてみんなが前を向いた。ナイス!先生!


でも、委員会中はずっと今の事で気分が悪かった。笑って流せたらどれだけ楽なのだろう。キャラを作ろうと思って接していたわけじゃない。ただ、好きな人に自分自身のいい所を、見て欲しくていい子ちゃんでいようと思ってやっただけ。いい面だけ見せて悪い面は隠す。ずっとそうやってきた。そうじゃないと私は…。


委員会が終わった。ミーティングみたいなもので3年を中心に、委員長が決まっていき今日はそこまでだった。気持ち悪くすぐにトイレに駆け込んだ。吐くわけでもなく、お腹が痛い訳でもない。気分が最悪なのだ。トイレから出てきた時は、殆ど残っている人はいなかった。


『あっ、お礼!お礼言わなきゃ』


扉を開けた瞬間、教室に入ろうとしてた高杉とぶつかった。鼻をさすって彼を見上げた。少し眉が下がり心配そうな顔をしていた。


「顔色、凄い悪いぞ」


触ろうとしてくる手を掴み、今急いでることを告げた。走っていこうとする時に腕を掴まれた。


『な、何!?急いでるんだけど!』

「もう、先輩達帰ってったよ。お礼ならまた月曜日言えばいいだろ?そんなに急ぐことじゃ…」

『大切な人から貰ったのに、ありがとうって言えないまま休日なんて過ごしたくない!』


感情がぐちゃぐちゃになって私は、その場に蹲って泣いた。すぐに泣いてしまう私は弱い。


「泣かすつもりじゃ…悪かった。でも、お前が具合悪そうにしてるの見てたら、心配するだろ」

『なんで、そんなに優しいこと言うのさ。いつもみたいに、私の事からかいなさいよ…。』


時間は17時30分を過ぎていた。部活のない生徒は、下校しなければならない。めそめそしている私を強引に立ち上がらせながら、高杉に手を引かれながら私達は家に帰った。家に帰っても私はずっと泣いていて、高杉は終始心配そうにしていた。


『ごめんなさい。さっき…八つ当たりして感情が…わかんなくて』

「大丈夫だし、月曜日元気な顔してねぇと怒るからな」

『うん…またね』


そのまま、物凄い勢いで自分の部屋に戻って行った。気付いたのは、課題が終わり月曜日の準備をしている時だった。




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わいなり〜 - うらたさん最後イケメンすぎたんですが…感想叫びますね。高杉いいいいいいいい!付き合ってくれええええええ!! (2019年7月26日 23時) (レス) id: 44c20bad9a (このIDを非表示/違反報告)
えのぐ(プロフ) - コメント失礼します。前作から好きでずっと見てきました!細かいところまで表現された感情がとても素敵です!今度こそ夢主ちゃんの恋が叶うのも見てみたいので、1意見としてお願いします。これからも応援してます! (2019年7月16日 21時) (レス) id: 659d961cb7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:薇兎ーらぅー | 作成日時:2019年7月16日 8時

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