俺の為に作ってくれ (ページ5)

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──あの動画を見て2日後の月曜日

時刻は午前10時。
倉科和菓子店が開店する時間だ。

私はお店の鍵を開け、外に出た。
今日は天気が良く、お出かけ日和だ。
どこか行きたいなぁと思うも、ウイルス感染や店番もあるからダメかーとちょっぴり残念な気分。

『……んー！よしっ！』

私は店の前で腕を上に伸ばし軽くストレッチを行い、
今日も1日頑張りますか！と心の中で気合いを入れて店の中に戻ろうとすると、後ろから声が聞こえた。

？｢…あの、すみません｣

『はい？………!?』

後ろを振り返るとそこには、サングラスとマスクをしている、どこから見ても不審者っぽい男の人がいた。

『……えーと、何でしょうか？』

私は恐る恐る不審男に返事してしまった。
もし変なことされたらすぐに店に入って警察に通報しようと思っていると……

？｢……五平餅売ってますか？｣

『……へ？』

今、五平餅って言った？もしかしてお客さん？
いやいや、気を緩んではいけないと思い、私は会話を続けた。

『申し訳ございません。五平餅は土日限定でございまして……』

？｢土日限定!?マジかよ…いくとのやつ肝心な事はちゃんと言えよ…｣

不審男はサングラスを外し、髪をわしゃわしゃにして乱してた。

サングラスを外してくれたおかげでやっと不審男の表情が少し見えた。彼はとても残念そうな顔をしていた。

…あれ？どこかで見たような顔であった。

？｢すみません。また改めて来ますね｣

不審男は肩を落としながら店から去ろうとすると、今度は私から彼に声をかけた。

『……あ、あの！…よろしければお作りしますよ！』