特効薬は俺 (ページ33)

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33.としみつside ページ33

俺はレコーディング室から出て、外の空気を吸いに来た。

と｢はぁ……｣

全然上手くいかねぇ。

好きな子の事を考えて？

俺は今まで恋なんかしたことねぇから分かんねぇよ。

って…こんな事考えてたら、また童貞だって馬鹿にされるな。

好きな子っつっても周りに女なんているわけ……って思っていると、頭の中にサクラの顔が思い浮かぶ。

いやいや。サクラは俺達のバディだし、ただの隣人だ。

こんな俺と付き合えるわけ…と思っていると、今度は何故かサクラの笑顔を思い浮かぶ。

と｢……ッ!!｣

なんだ？サクラの事を考えると頭から離れなくなる。
彼女に何か悪いことしたか!?

そう思っていると今すぐサクラに会いたい。
俺はポケットからスマホを取り出すと大量のサクラからの着信履歴が残ってた。

それよりサクラを1人っきりにしてしまった。
きっと俺を探してるはずだ。

俺は走って至る所を探した。

レコーディング室、控え室、廊下……

全然見つからねぇ。

俺が守るって言ったくせに守れてねぇ…情けねぇ。

俺から電話しても繋がらねぇ。

きっと何かあったんだ。

俺はロビーに向かうと、やっとサクラを見つけた。

だが、サクラの前には女の人と……その隣には今大ブレイク中の俳優がいた。

3人で何か話してるようだが、サクラの方は困ってる様に見える。

今度は女の人がサクラの腕を引っ張り、俳優に近づけようとしてる。

サクラが危ない…!!

と｢サクラ!!｣

俺は彼女の名を叫び駆け寄った。