迷イト惑イニ溺レヨ ページ6
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「......太宰さん!」
救護室に向かい、扉を開けると、中にはパイプ椅子にゆったりと腰を下ろしている太宰さんの姿があった。
彼の視線はベッドの上で静かに眠っている
名を呼ばれた彼は、此方を振り向くと「やあ、敦君 工合は如何だい?」と、普段と変わらない飄々とした笑みを
「そ、それよりも 話が......あの」
「落ち着き給え 彼女の目が覚めてしまう、見張り役である私が 彼女を逃したら大変だろう?」
「......! す、すみません」
彼女が受けた傷も、与謝野医師の治療によって跡形も無く、綺麗に治されていた。多分、もう直ぐ目を覚ますだろう。太宰さんは彼女が目を覚ました時の為の見張り役を自ら志願し、先刻から救護室に居たらしい。
確かに、見張り役をしているのにこんな話をしてしまえば集中力を落としてしまうかも。
僕は彼に謝罪をし、また機会があったら云おうと考え、救護室から出ようと踵を返す。
「それで? 私に話とは一体何だい」
キィッ......キィッ......
静かな
「........いや その、話は......」
「云って
彼が今一体どんな表情をしているのか、背後に立っている僕には、背中しか見えないから判らない。けれど、僕が話そうとしている内容を聞いてしまったら......屹度衝撃を隠せないだろう。
此処迄来てしまったのに、僕はまだ迷っていた。
「聞いても 後悔しませんか......?」
コレは確信の持てない話だが、聞いたら彼は驚愕するだろう。だから彼に心の準備をさせようと、念の為に尋ねておく事にした。
「それは聞いてみないと判らない、でも 私に関係が有る話なら......私には聞く権利がある。却説、何時彼女が目を覚ますか判らないし 話して貰おうか、敦君」
顔をクルリと此方に向けられれば、太宰さんの濃い茶の瞳が僕の姿を映す。
僕は息を吸い、真っ直ぐに相手の目を見詰ると「絶対の確信は持てませんが......」と、最初に前置きし、本題を話し出した。
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好奇心ト悪戯心ノ行ク末→←三社生キ残リー ポートマフィア ー
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ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 有難うございます!コメント、本当に嬉しいです。続編も頑張りますっ (2019年7月17日 23時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 第二シリーズお疲れさまでした(拍手) 続編も心待ちしております、ミサぽんさんのペースでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月17日 23時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます、何回もしてくださり 本当に嬉しいです! 楽しんでもらえるよう 頑張りますっ (2019年6月16日 16時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 早速の続編!ありがとうございます!!(感涙) (2019年6月16日 16時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年6月16日 15時