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愛シ君ヲ見ツケヨウ ページ45

×××


中島が組合に攫われた。
探偵社は現在、元々拠点にしていた建築物(ビルヂング)の方に戻り、作戦の練り直しと、運び出す荷物を纏めている。
太宰は建築物の屋上にて、ぽーっと空を眺めていた。


「.........?」


すると、外套(コート)のポケットの中に入っていた携帯が突然、ブルッと振動する。
太宰は空を見上げる行動を一度辞め、負傷していない左手を使い、ポケットに手を突っ込んだ。

パッと画面に表示されたのは、横浜の街の地図。


「......! これは」


地図に表示された場所を確認すると、一箇所が青く点滅を繰り返していた。
太宰は鳶色の瞳を大きく見開いた後、直ぐに其の瞳を細め、「......嗚呼、成る程」と、呟く。

携帯に連絡を入れても、全く繋がらずに留守電になってしまう理由(わけ)が判った。
太宰は口角を上げ、口元に微笑を浮かべると、ポケットの中に携帯を戻し、再び空を見上げる。


「.........大丈夫、必ず終わらせる」

「おい 太宰」


屋上に繋がる扉が開き、聞き慣れた男の声が太宰の名前を呼ぶ。
仕事での同僚、国木田のものだ。太宰は普段と態度を変える事は無く、声の主の方に向かって振り返る。


「こいつの意味を教えろ」

「......!」


国木田は着ていたシャツの(ボタン)を外し、首筋を露わにした。
其処に有ったのは、(あざ)だ。それも、不気味な人の手の形。太宰は国木田の躰に現れた痣を知っている。

この痣は、Qの詛いだ。


***



「.........痛いわね」


葡萄は好きだけど、真逆自分の好きな果物に拘束されるとは思わなかった。
手足が全く動かせない。異能は辛うじて使えるが、今の私の体力を考えると、長時間は保たないだろう。


「.........」


Qは詛いを発動させた後、気を失ってしまった。
スタインベックは地下から出て行ってしまい、残されたのは気を失ったQと私の二人だけ。
椅子の上に置かれた片足の無い不気味な人形は、先程からケタケタと嗤い声を上げている。

天藍石の首飾(ネックレス)が、ワイシャツから姿を見せた。


「.........ねぇ、貴方は私を見つけてくれる?」


誰に問うているのかしら。
此処には、誰もいないのにね。


×××

虜囚ノ虎ト深紅ノ姫君ー 幻覚 ー→←虎ト白鯨、葡萄ト人形ー 呪い ー



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設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 有難うございます!コメント、本当に嬉しいです。続編も頑張りますっ (2019年7月17日 23時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 第二シリーズお疲れさまでした(拍手) 続編も心待ちしております、ミサぽんさんのペースでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月17日 23時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます、何回もしてくださり 本当に嬉しいです! 楽しんでもらえるよう 頑張りますっ (2019年6月16日 16時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 早速の続編!ありがとうございます!!(感涙) (2019年6月16日 16時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年6月16日 15時

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