105話 ページ9
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「監視映像弐番と伍番が停止」
「自動迎撃銃を起動せよ」
銃を起動されても散歩しているみたいに歩く中也
銃は彼の異能では木偶になる
彼は監視映像に向けて話しかけた
「特使の接待役がこんな木偶とは泣かせる人手不足じゃねえか、探偵社。生きてる奴が出て来いよ」
指をクイっと曲げ、誰かが出てくることを促す中也
それに与謝野と賢治が相手をしに行った
「たった二人か。見縊られた話だぜ」
「探偵社は事前予約制でねェ。対応が不満なら余所を中りな」
「マフィアが敵拠点で暴れるのに予約が要ると思うか?」
殺気を効かせた中也に対して元気良く賢治が手をあげる
「はい!要らないと思います!」
そんな様子の賢治を見て与謝野は頭を掻いた
「賢治の云う通りだよ。暴れたいなら好きにしな。けどアンタは暴れに来たんじゃないだろ?」
「ほう、何故そう思う?」
「ウチは探偵だよ。訪客の目的位一目で見抜けなくてどうするンだい」
中也は福沢の居場所を尋ねる
与謝野はカメラを指した
「そこだよ」
中也はカメラに向けて一枚の写真を見せる
「うちの首領からお宅等に贈品だ」
中也は写真を見せる
その写真には組合の二人組の写真が載っていた
「奴等を『餌』で釣った。現れる場所と時間も此処に書いてある。こんな好機、滅多に無えだろ。憎っくき組合に一泡吹かせてやれよ」
与謝野は笑った
「成る程。唆られる案だね。けどもっと善い案があるよ」
与謝野は鉈を取り出す
「アンタの手足を削ぎ落としてから何を企んでるか吐かせるってのはどうだい?」
「そりゃ凄え名案だ。やってみろよ」
与謝野は賢治に合図を出す
賢治は元気良く返事をして線路の一部をもぎ取った
「気を付けて下さーい!」
賢治はそれを振り回した
砂埃で姿が見えなかったが、
中也は振り回された鉄線の上に立っていたようだ
感心している賢治の元に中也が走っていく
そして賢治に蹴りを喰らわせ、壁まで吹き飛ばした
その隙に与謝野が中也の後ろに回り込む
「その異能、『重力遣い』の中原中也だね」
中也は重力を操る異能を使い、自身に掛かる重力を上にして天井に立ち、与謝野の攻撃を避けていた
中也は重力を下に戻し、地面に降りる
自分にかかる重力を倍にして、地面を少しへこませた
「さァ、重力と戦いてえのは何方だ?」
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