10話 資格 ページ12
A「チアキ…。」
まさか、そんなことで私たちはすれ違っていたなんて。
互いが互いを思いやった結果、互いを傷つけ合った。
なんて皮肉な話なんだ。
チアキ「本当は、僕だって寂しかった…!でも、このままだとAに永久に友達が出来なくなる、って考えたら、罪悪感生まれてきちゃって。」
A「そんなわけないじゃん。友達出来ないのは私が悪いんだよ。」
無理矢理に涙を止めて、微笑む。
愛想悪くしてたら、友達が出来ないのと同じ原理でチアキが離れて行っちゃいそうな気がしたから。
A「チアキ。私は、チアキがどう思ってても、ずっと仲良くしてたいって思うよ。チアキと一緒にいて不利益になることなんてないから。」
今、すごく近くにいるチアキとのこの距離を開きたくなかった。
そう思って、抱きつく力を少し強くする。
もう一生このままでいたいくらいだった。ずっと抱きついてたかった。それくらい幸せだった。
恋ってすごい。今のほんの刹那で一生が左右された。
チアキ「…A。ありがとう。でもね、僕はAと仲良くしていい資格がないかも。」
A「えっ…?」
チアキside
A「チアキ。私は、チアキがどう思ってても、ずっと仲良くしてたいって思うよ。チアキと一緒にいて不利益になることなんてないから。」
Aがそんな風に僕を思ってくれていたなんて。
素直に嬉しかった。
でも。
ミハル、ケンジ、サトシ。
このまま彼らのことを伝えないで、Aと仲良くするのは気が引けた。
卑怯な気がしたから。
このことを伝えたら、嫌われる。だから言ってなかった。
嫌われたくなかった。
なのに、僕は冷たく振る舞った。
勝手に自分から嫌われに行って、Aを傷つけた。
嫌われたくないのか、嫌われたいのかハッキリしない。
それに、もうAに隠し事なんてしたくない。
チアキ「…A。ありがとう。でもね、僕はAと仲良くしていい資格がないかも。」
A「えっ…?」
僕は、意を決して、Aに全てを説明した。
宇宙人にさらわれたことから、ノーズの家に飛び降りたことまで、全て。
チアキ「あはは、軽蔑しちゃったっしょ?」
もうすぐ、Aが僕を嫌ってしまう。
泣きそうだけど、ここで泣いたらかっこわるいし、頑張って明るく笑ってみる。
うん、これでいいんだ。これが、みんなを見捨てた僕の運命。
そう区切りをつけて、覚悟した。
チアキ、酷い。その一言が飛んでくるのを。

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咲代(プロフ) - 天さん» ありがとうございます!!頑張ります〜!! (3時間前) (レス) id: e37cac3f41 (このIDを非表示/違反報告)
天 - 面白いです! 投稿頑張ってください! (9時間前) (レス) id: 9b7d3c2801 (このIDを非表示/違反報告)
咲代(プロフ) - アリスさん» はじめまして〜♪ありがとうございます!!嬉しいです!モチベ上がったんで更新頑張ります! (1月6日 7時) (レス) id: e37cac3f41 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - はじめまして!これからも応援してます!更新頑張ってください♪ (1月6日 6時) (レス) id: 76d2fea91c (このIDを非表示/違反報告)
咲代(プロフ) - 彼方さん» ありがとうございます!!更新頑張ります!(`・ω・´) (12月26日 7時) (レス) id: e37cac3f41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲代 | 作成日時:2020年11月8日 21時