メラ君 教科書 ページ30
メラside
転校生「転校してきた、___です！よろしくな！」
明るくそういった転校生。
なんとなく、チャラいやつだなと思う。
先生「Aさんの隣の席が空いてますね。じゃあそこで。」
俺の隣の隣の席ってことか。
ろくなことが起きなさそうだと本能が告げる。
こいつとは関わらないでおこう。
転校生「なーなー、Aちゃんだっけ？俺、前の学校の教科書違うやつだったからさ、今日だけ一緒に見てもいいかな？」
A「はい、いいですよ！」
1時間目。そんな会話が俺の耳に入る。
Aは転校生と机をくっつけた。
…羨ましい。
って、俺は何を考えている？！
授業真面目に受けないとな。
転校生「でさー？？」
...さっきから授業中なのにも関わらず、転校生がAにずっと話しかけている。
Aも愛想笑いを浮かべているが、困っているのが見て取れる。
キーンコーン…。
1時間目の終わりを告げる鐘が鳴った。
号令をし、教室が騒がしくなったところで、俺の堪忍袋の尾が切れた。
バァァァン。
俺は自分の教科書を転校生の机に叩きつける。
メラ「おいテメェ！！今日は俺の教科書を貸してやる！！Aと机を離せ！！」
転校生とAが固まる。
が、Aはしつこく話してくる転校生を引き離すためだ、と俺の意図を汲み取ってくれたようで。
A「そ、そうだね！その方が、効率いいかもー…なんてー、あはは…。」
転校生「ふーん、君たち付き合ってたりでもしてた？だったらごめんね、彼女さん取っちゃって。」
なんだろう、謝られている気がしない。
てか、付き合ってねぇよ！そっからツッコめや俺！！
メラ「つ、付き合ってねぇ！」
俺はそう否定したのだが…
A「何言ってるのメラ！恥ずかしいからって否定しないでよ！」
……は？？？？
いやいや、付き合ってねぇよ。
と思っていたら、小声で「今は私の言うことに合わせて。」と言われた。
転校生をだますってことか。
メラ「す、すまん。」
A「ごめんね、メラが妬いちゃうから、今日はメラに教科書借りて？」
転校生「そっか、残念。」
不服そうにそう言った転校生は、Aと机を離した。
そして、俺とAが机を付けた。
2時間目。
A「ありがと、メラ。」
いつもより近い距離で、Aが言った感謝の言葉。
Aと同じ教科書を見ていると言う事実だけで十分だったのに、その言葉と、綺麗な笑顔で、俺は授業に全く集中出来なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲代(プロフ) - らるこさん» 書けるかどうか、保証は全くできませんが、それでもよければ……といった感じです。 曖昧な返答しかできず申し訳ございません……！ (2023年2月18日 22時) (
レス) id: 3080073bcd (このIDを非表示/違反報告)
らるこ(プロフ) - 今リクエスト受け付けてますか？ (2023年2月18日 11時) (レス) id: bfd6a96e81 (このIDを非表示/違反報告)
咲代(プロフ) - はなねさん» わー！リクエストありがとうございます！！最近更新出来ていなかったので上手く書けるかは分かりませんが頑張ります！気長にお待ち下さい〜 (2022年3月24日 8時) (レス) id: e37cac3f41 (このIDを非表示/違反報告)
はなね - リクなんですけど、ワイルドボーイとキスしないと出られない部屋的なのお願いします。！ (2022年3月23日 23時) (レス) id: 14c492ea3a (このIDを非表示/違反報告)
広美(プロフ) - 咲代さん» 久しぶりの更新を頑張ってくださいね！応援しているのでこの作品が続編に行くことを願っています♪ (2021年5月2日 14時) (レス) id: 92bb233a42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲代 | 作成日時：2020年10月11日 10時
