紅い花束を君に…【オリジナル】

きゅうじつ ページ10

美桜side

『…おはよう、今日は急がなくていいの？』

影「今日は久しぶりの休日だから、ゆっくりでいいんだよ」

あれから葉子はご飯を食べたあとにすぐ帰っていってしまった。
なので、気まずい空間で過ごすより寝た方がいいと悟った私は早めに寝たのだ。

『“キュウジツ”…』

影「ゆっくりできる日のことね。今は、……11時。そろそろかかるかな？」

『なにが？』

影「うーん、君の好きそうな番組？」

『“スキ”と“バングミ”がわからないのだけれど…』

影「まぁ、見ればわかると思うよ。ほら、かかった」

MC1[さぁ！今日も始まりました動物ランド！！今回ご紹介するのは……こちら！]

MC2[わぁ！！モフモフで可愛いワンちゃん！なんという犬種ですか？]

MC1[こちらのモップのようなワンちゃんはですね、ペキニーズという…]

『…………』

影「はい、…はい、わかりました。……ね、好きそうでしょ？」

『ﾊｯ!……そうね、言葉はわからないことだらけなのにとても落ち着くわ』

影「よかった、じゃあしばらくそれ見ててね。俺は急用が入ったから、行ってくる」

ｶﾞﾁｬﾝｯ

『いってらっしゃぁい…と、危ない…頬が緩んで言葉まで……』

不思議な感じね、この“ドウブツ”を見ているとずっと見ていたくなるもの

『…そうだ、探さなきゃ。』

影山がいない間にしかできないのをすっかり忘れてたわ…

-１時間後-

『ない……』

あれだけ探したのにないなんて……

もう捨ててしまったとか？

『はぁ……片付けなきゃ。物に触れるだけましよね』

そう、言い忘れてたけど私は物に触れるし、食べることもできた。

…そして、誰に紹介しているのかわからないまま私は１つ気付いた。

『そうよ、まだ影山の部屋を見ていないじゃない』

きっとそこになにかある。
でも、見てしまえばもう後戻りできないような気がした。

『……行くしか、ないもの。』

私は大丈夫。と、心に言い聞かせて影山の部屋に入った。


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皆様のおかげで過去最高12位を獲得致しました。

初の獲得なので主はとても喜んでいます。(無愛想な文体といわれがちですが喜んでます)

15票入れてくださった方々、646人の閲覧者の方々、本当にありがとうございました。

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