かこのなか ページ26
目の前にそびえ立ついくつもの山。
ふもとには、畑と屋根がチラホラと見える。
懐かしくて、どこか切なくなるこの場所は・・・
目の前を1人の少女が歩いていた。
ツヤのある黒髪と青い目を持つその少女は、いくつかの本を抱えている。
「鬼の子」
「忌々しい」
「恐ろしい」
大人達からの蔑みの目。
そして。
大人達の蔑みや恐怖を感じ取った子供達からの、虐め。
その少女は、何をされても反応しなかった。
温厚だった。
否、無関心だったと表現する方が正しい。
少女は、自分に向けられる嫌悪にも、物理的な攻撃にも、無関心だった。
そんなものなど、彼女にとって何事でもなかった。
彼女の世界には、鬼でありながらも優しい父と、
人でありながらも鬼を恐れない逞しい母しか必要がなかったからだ。
しかし。
ある日、1人の子供が口にした言葉でその村は滅びた。
「お前の親もバケモンなんだろ。要らないんだよ。さっさと消えろよ」
少女の中で眠りについていた鬼が目覚めたのだ。
そうなればもう、手遅れだった。
彼女は止まらなかった。
その子供を初めとし、目に入る全ての人を殺した。
その少女を赤く染め上げた血のせいか、その目も赤く染まっていた。
彼女は殺した。
全ての人を。
その少女の世界も。
少女を止めに入った彼女の父も。
母も。
カノジョガコロシタ。
「あ・・・ああああああああ!!!」
目の前でゆっくりと倒れて行く父を見て
足元で息を引き取る母を見て
瞳の鈍く赤い光が揺らぎ、青色に戻る。
と同時に、少女は泣き叫んだ・・・・・・
私が、どれだけ叫んでも。
少女に向かって腕を伸ばしても。
届かなかった。
「あああああ・・・!!」
私は、全身汗まみれの状態で布団から跳ね起きる。
・・・夢か。
頬を伝う、汗よりも熱い液体。
手を恐る恐る目元に持って行くと。
涙だ・・・
・・・・・・汗まみれになったし、お風呂でも入って気分転換しよ
私は時計を見て、準備を急いだ。
沖田さん
「目ェ閉じろ」
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RAPISURAZURI(プロフ) - 指名の仕方が分からなくてごめんなさい!コメントありがとうございます!明日、沖田くんの誕生日ですね♪誕生日ネタは書けるかどうか分からないけど、できるだけ早く更新できるように頑張ります! (2019年7月7日 17時) (レス) id: eda71cecc1 (このIDを非表示/違反報告)
吉良 - すごく短かったですが、面白かったです!あと、今日、7月7日で沖田くんの誕生日1日早いですが、おめでとう!(沖田くんの誕生日は7月8日です。)これからも更新頑張ってください!! (2019年7月7日 13時) (レス) id: 137d60e577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおいひつじ | 作成日時:2019年7月6日 19時