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翌日、2人は梵天の事務所で宣言した。
「俺ら1年育休取っから、そういうことで」
そのまま出て行こうとする兄弟に、
幹部一同、呆れ果てている。
「おいおいおいおいクソ兄弟！
テメェらいい加減にしやがれ」
春千夜が喚き散らす横で、蘭は涼しい顔をしている。
「誰のお陰でサツが撒けたと思ってんの？」
それを言われると、誰も言い返すことはできない。
「まぁ…百歩譲って、蘭が休むのは分かる。
竜胆は働けるだろうが」
とココがまともなことを言う。
「あ？お前らさ、兄ちゃんが父親らしいこと
できると思ってんの？」
「「「「確かに」」」」
「えぇ〜蘭ちゃんそんなに信用ねぇの？
かなし〜」
蘭はニコニコしながら帰り支度を始めた。
「ま、でけぇ抗争の日には顔出すからよ。
あと、鶴蝶たまに借りるワ」
んじゃあな〜と言いながら、蘭と竜胆は事務所をあとにした。
―――――――――――――――――――――――
その後、ツワリも落ち着き、3人は幸せな日々を送っていた。
通院の関係で、必然的に外に出る頻度も増え、
蘭は面白くないものの、ユリにとっては嬉しいことだった。
3人で夕食を囲みながら、ユリははしゃいでいた。
「今日ね、実は赤ちゃんの性別教えてもらったの！」
「え！どっち？？？」
「言ってもいい？」
「興味ねぇ」
「男の子だって！」
蘭ちゃんに似てるのかなぁ〜とニコニコしているユリと、
甥っ子かぁ〜とはしゃぐ竜胆の隣で、
蘭の機嫌は急降下していた。
「おいユリ」
「なぁに？」
「優先順位は俺が1番だかんな」
「分かってるよ」
「兄ちゃん…大人気なさすぎ…」
「あ？」
不貞腐れてそのまま自室へ行く蘭の後ろ姿を、
竜胆は少し心配げに見た。
「竜ちゃんは優しいね」
「いや…分かってたけど、
兄ちゃんには父性とか皆無だよな…
ユリ、辛くねぇの？」
「ぜ〜んぜん！
だってね、蘭ちゃん、
自分の子どもに嫉妬するくらい、
私のこと好きってことでしょ？」
ずっと透き通った清水のように見えていた、
ユリの薄紫色の眼の奥に、
狂気が透けて見えて、竜胆は驚いた。
「ねぇちゃんも…相当狂ってんな」
「お褒めの言葉をありがと」
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作者名：あたそ | 作成日時：2023年3月20日 23時
