恋慕奪い愛(2) ページ2
「…は?」
「うん?」
「付き合って、ませんけど…」
嘘だ、付き合っている。 割と長いこと社長とは交際している。
だけど今はそう言うべきだと思った。
「あっれぇー、可笑しいな…街中で見たとき絶対これはそうだと…というか目撃情報も…」
森はさっきまでの威厳はどこへ行ったのか急にあたふたし始めた。
「人違い?…いや探偵社員は中也くんが洗いざらい調べてくれて…この子で間違いない筈…」
「あの、人違いだと思うんで帰してもらってもいいですか」
「うーん、でも」
森は私をひょいっと軽く抱き上げた。
「君が福沢殿の彼女でないなら、私が君を貰おう」
「ゑ」
「否、君は探偵社ですこぶる仕事が出来るそうじゃないか、これを機にポートマフィアに入らないか。給料も向こうよりずっと弾むし今ならボスである私の愛人にしてやってもいい」
そう言うと森はソファに乱雑に私を降ろして上に覆い被さってくる。
押し返そうにも男の人の力で動けない。
「やめ…て…」
ガガッとどこからか砂嵐のような音が聞こえた。
森は私の首元に顔を埋め、まるで果実を食むようにかぶりついた。
一気に身体が熱くなる。嫌だ、社長以外嫌だ。
心は嫌だと叫ぶのに身体は抵抗出来ず、小さく跳ねることしかできない。
「ひぅ……んっ」
じゅっと吸い上げられ、噛まれた後をひと舐めされると変な声が出た。
「覚えておくといい、確かな情報を得るためにはカマは色んなところにかけておくべきだ。それと…」
森はニヤリと笑って私を引き寄せ、そのまま口付けた。
短い接吻が終わった後耳元で囁かれる。
「マフィアは嘘が嫌いだ」
空気が突然重くなった。
いつの間にここにいたのだろう。
森の後ろには目を怒りで光らせ、森の首元に刃を突きつける銀狼がいた。
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赤羽 - 最高!続きいつまでも待ってます、、二千年後も (2月23日 17時) (レス) @page25 id: 462520c403 (このIDを非表示/違反報告)
りお - 加藤めっちゃ人気やな…良かったな加藤☆ (6月13日 20時) (レス) @page25 id: 277740fe28 (このIDを非表示/違反報告)
るりら - 最高 (2022年12月25日 16時) (レス) @page7 id: db0aaa71fc (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 加藤ー!安吾よ。((後何言うんだっけ?あれ? (2022年3月10日 21時) (レス) @page25 id: e165a9ec89 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花 - 推していても推していなくても、全てのキャラがかっこいい…素敵な作品、ありがとうございます! (2022年1月22日 13時) (レス) @page25 id: 4b25a88413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぐれった | 作成日時:2019年7月7日 14時