6,新事実 ページ9
その名前を口にした瞬間、場を取り巻く空気が変わった。
真剣だった彼らの間にも、ピリッとした空気が流れているのが分かる。…地雷を踏んでしまったかもしれない。しかし、あんなに温厚…というか、寛容そうな彼らにさえ、こんな顔をさせるなんて……一体、どれだけ酷いやつなのか。
「…知ってるも何も…そいつ、生徒会長の権限使って、いちいちオレたちに絡んでくるんだよ」
「学園長に認められた部なのに…私は認めてない、なんて言って…」
「酷い話だよね…しかも、めちゃくちゃおっかない…」
「品位を損なうような行動をした場合、廃部に追い込む…なんて、絶対他の部には言ってないでしょ」
静寂を打ち砕いたジンペイ君の声を聞いて、次々に『霧隠ラント』への不満が寄せられた。
メラ先輩だけは、なんにも言ってなかったけれど
私が彼の方を見ると、ボソリと「あいつ、九尾と同じ…いや、それ以上にいけすかねーよな」と答えた。
九尾…という人物が誰かは分からないが、彼の口振りからして…仲の悪い相手なのだろう。それ以上…ということは、どうやら『霧隠ラント』の印象は最悪らしい。
「……やっぱり、そうなんですね……」
うっかり言ってしまった『やっぱり』という言葉を
YSPクラブの皆は、聴き逃してはくれなかった。
「やっぱり…って…もしかして、他の学校にも悪名が広まってるの?」
ショートカットの少女…姫川フブキちゃんが、驚いたような様子で聞く。
確かにそうも捉えられるけど…あいにく、私が彼の悪評を聞いたのは、引っ越しの途中だ。それも、車の中。ほかの学校が知っているはずもない。
「そもそも……その霧隠先輩が、どうかしたの?」
「まさかあの野郎、転校生にまで変なこと抜かしてんのか?」
マタロウ君と、メラ先輩に心配そうに問いかけられる。…評判最悪だな、あの人…。
とりあえず、違いますと否定はしておいた。
いくらこの場で最低最悪の独裁者と評されていても…私にとっては…
「…私、ラント君の幼馴染だったんです。
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ユーリ(プロフ) - るーんさん» ありがとうございます!!なんと言いますか...上手くいかない、不器用で少し悲しい、だけどその分幸せになる...というか、そんな感じの小説を書きたかったので、キャラクターたちの心情をメインに、詳しく書くようにしています笑 頭は....あんまり良くないです(泣) (2020年1月30日 17時) (レス) id: 98829acb9e (このIDを非表示/違反報告)
るーん - ユーリさん» かっこいいですよね!霧隠ラント君!アニメのラント君もこの小説で見るラント君も大好きです!この小説は文が丁寧で読んでてとっても面白いです!頭が良いお方ですか!? (2020年1月30日 17時) (レス) id: b0ef9d9d52 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - るーんさん» 初めまして!コメントありがとうございます。まさかのアニメを見て惚れた方!?アニメの方よりも、不器用な感じのラント君ですが...好きになって頂けたなら嬉しいです!ありがとうございます! (2020年1月29日 20時) (レス) id: 98829acb9e (このIDを非表示/違反報告)
るーん - はじめまして!アニメを見て霧隠ラント君が好きになってしまいました。(笑)一目惚れです。でもこの小説を読んで200倍好きになってしまいました!これから更新頑張ってください!毎日の楽しみにします! (2020年1月29日 20時) (レス) id: b0ef9d9d52 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - あめさん» 初めまして!!温かいお言葉をありがとうございます...色々と考えて書いているので、本当に嬉しいです。霧隠推しの方からそう言っていただけると、少し自信が着きますね(笑)なるべく更新出来るよう頑張りますので、これからもmarionette dollをよろしくお願いします! (2020年1月24日 16時) (レス) id: 98829acb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユーリ | 作成日時:2020年1月12日 15時