君についての作文/uszw ページ9
｢牛沢先生へ 先生って怒ると怖いし理不尽だし課題の量多いし嫌いです。なのに声がイケボ〜だなんて女子からは人気があるし、はっきり言って気に入らない！｣
｢おいA、ふざけて……｣
｢……でもちゃんと生徒のこと一人一人見てるし、褒める時はきちんと褒めて、先生の声だって好きで、休み時間にゲームしてる先生も好きで……たまにみんなからうっしーなんて呼ばれたら怒ってるのも可愛くて、案外お茶目だし、歌上手かったりするし｣
｢なんなのお前は｣
｢そんな牛沢先生が好き、大好きです。だから、付き合って……ください……｣
最後の一文を読み終える頃には我ながらなんてことをしたんだ、とサーっと血の気が引いた。
｢あ、え、あの、私帰ります！｣
急いで椅子から立ち上がり教室から出ようとしたが椅子に引っかかって転んだ。
ああもうなんでこんな時に限って転ぶんだろう…と余計に恥ずかしくなって動けないでいると
｢おい｣
約3年間ずっと聞いた低めの声が上から降ってくる。
だが顔を見れるはずがなく下を向いたままでいた。
すると急に頬を掴まれて顔を無理やり上げられた。
自然と先生と目が合う。
｢ちょ、なにするんですか！？｣
｢何するんですか、じゃねえよ。それはこっちのセリフ。何さっきの反省文｣
何も言えなくて黙っていると先生が喋り出した。
｢俺は教師、お前は生徒、恋愛関係になったら犯罪になる。だから卒業するまで何も言わないようにしてたのに｣
｢え……それって｣
｢言わない。｣
｢は……えっ、ちょっと待ってくださいずるくないですか！？｣
｢大人だから｣
｢回答になってないんですけ。……いいんですか？私、自惚れますよ？｣
先生は私の頭に手をポン、と置いて
｢いいんじゃない｣
と一言言った。
｢私の事、好きだってことです…よね……いいんですか……両想いで｣
｢いいと思うよ｣
先生は意地悪そうに笑いながら私の頭を撫でた。
｢先生の馬鹿｣
｢はいはい｣
｢ちゃんと好きなら好きって言ってくださいよ｣
｢それはまだ駄目。お前が卒業してからね。あと数ヶ月後だろ｣
｢恋する乙女は待てません｣
そうぽつりと呟くと先生は私の耳元に顔を寄せて
｢好きだよ｣
と呟いた。
｢……生徒としてな。｣
｢先生、そんなに犯罪者になるのが怖いんですね｣
当たり前だろ！と言われた。
先生の隣で恋人としての｢好きだよ｣を言ってもらえるまであと＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蘭(プロフ) - なめこさん» そう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもキュンキュンするお話頑張って書きます！ (2020年1月8日 6時) (
レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年1月7日 21時) (レス) id: 136e05d453 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蘭 | 作成日時：2019年11月30日 10時
