はちみつレモンの先輩/ky ページ5
「今日は寒いな」
「そうですね」
私は会話がつくづく下手だな、と実感する。せっかく先輩が話題を振ってくれたにも関わらず秒で会話を終わらせてしまった。だが生憎ここから会話を広げれるほどの会話術もないので、黙って雪が降り積もるのを見ていると、手が急に温かくなった。視線を手に落とすとはちみつレモンがあった。
｢それあげる｣
先輩がはちみつレモンを指差す。
｢え……でも｣
｢寒いしカイロ代わりにもなるんじゃない｣
私と同じようにカイロ代わりにも清川先輩も使ってるのかな、と思った。
｢お金は……って、財布ないんでした。やっぱりこれ、申し訳ないです｣
私が先輩に返そうとすると
｢いいよ別に。後輩からお金取る趣味も俺にはないし。素直にもらったら？｣
そう言われても申し訳ない気持ちでいっぱいなのだが、これ以上遠慮しすぎるのも面倒くさく思われるかもしれないのでありがたく受け取ることにした。
｢ありがとうございます｣
｢いいえ｣
そう言うと先輩はくるりと向きを変えて3年生の校舎の方に向かっていった。また明日もここに来るかな、そう思って飲んだはちみつレモンは甘くて、でもほのかにレモンの酸味がして甘酸っぱかった。
この時の私は去っていった先輩の顔が赤く染まっていたことをまだ知らない。
嘘の魔法にかかったフリをして/rt→←はちみつレモンの先輩/ky
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蘭(プロフ) - なめこさん» そう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもキュンキュンするお話頑張って書きます！ (2020年1月8日 6時) (
レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年1月7日 21時) (レス) id: 136e05d453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2019年11月30日 10時
