少女漫画のヒロインみたいに/uszw ページ28
平凡な容姿と設定上書かれていても、誰が見ても可愛い女の子ばかりで、王子様に囲まれて。
「少女漫画のヒロインみたいに、私もなりたいなあ……」
机に突っ伏しながらボソボソと呟くと、頭に衝撃が走った。
「痛っ！何すんのうっしー！」
「夢見る前に早くプリント終わらせろよ！」
机の上にあるのは空白のプリント。課題プリントを忘れてしまったため「放課後にやりなさい」と先生に渡された。誰もいない教室で1人渋々やっているとこのうっしーという野次馬が入ってきて現在に至る。
「だってね、昨日読んだ少女漫画が良すぎて…」
「どうせプリントの存在忘れて漫画に夢中だったんだろ」
正直当たっていて何も反論出来ない。仕方なく手を動かしていると、うっしーが口を開いた。
「……それ終わらせたらタピオカ奢る」
「ほんと！？絶対だよ」
「ミーハー女め……」
完全にやる気スイッチを押された気分になった私はプリントをこれ以上ない早さで終わらせて、駆け足で職員室に提出しに行った。自分でも驚いている。
「タピオカ奢りね！」
「はいはい」
下駄箱で上靴からローファーに履き替えていると、うっしーが急に手を差し出してきた。
「どゆこと……？」
「……少女漫画の王子様、やってやるよ」
顔を赤らめながらうっしーはそう言った。胸が高鳴る。らしくないことを自分のためにやってくれてるのかな、と思うと笑みが溢れた。
「笑うなよ！」
「だってなんか、うっしーが一生懸命やってくれてるの、おかしくて。ふふ……ありがと」
私はそっと手を重ねた。
そこからのうっしーは車道側をさりげなく歩いてくれたり、私の話をうんうんと聞いてくれて本当に少女漫画の王子様みたいに優しかった。
タピオカを買った後、私とうっしーは公園に向かった。
「ブランコとか懐かしいなー……高校生になると乗ることないよね」
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蘭(プロフ) - なめこさん» そう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもキュンキュンするお話頑張って書きます！ (2020年1月8日 6時) (
レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年1月7日 21時) (レス) id: 136e05d453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2019年11月30日 10時
