連絡事項？/rt ページ27
はらはらと、上からたくさん紙が落ちてきた。
「は……？」
「あー……ごめん。それ持ってきてよ、香坂」
書類をひらひらさせながら2階の窓からそう言ったのは生徒会副会長、AAだ。どうやら書類をばらまいてしまったらしい。午前授業で終わったのをいいことにゲームをしまくるという俺の予定は無しになりそうだ。仕方なく俺は1枚1枚書類を拾い集めて2階の生徒会室へ向かった。
「11、12……。全部ある。ありがとう」
「書類ばらまくとか有り得ないんやけど」
「ごめんごめん。でもせっかくだし生徒会室クーラー効いてるし、休んでいったら？」
「そう言って仕事手伝ってもらおうとしてるんやろ」
「バレた」と言いながらAはまとめた書類を机に置いてパソコンと睨めっこをしだした。
Aとは2年生の時に同じクラスになって知り合った。頭も良く生徒や先生からの人望も厚く、優等生タイプだ。だがすぐ俺のことをこき使う。
「今日他の人は？」
「居ない。今日は集まる日じゃなかったけど私は早めに自分の書類終わらせたかったから」
Aは先程言った通り優等生だ。だがそれは大人達の前でだけだ。俺の扱いは酷いし、すぐ冗談を言っては人の反応を見てゲラゲラと笑う。大人達に普段のAを見せてやりたい……と思っていると、Aが口を開いた。
「ねえ、香坂ってどんな女の子がタイプなの？」
「……何、急に」
「なんとなく」
先程まで動かされていた手は止まっていた。俺の気も知らずにこちらをじっと見つめるAに「お前だよ」とか言えたらどれだけ楽か。
「特にこれと言ってない。好きになった人がタイプ」
「ふーん……」
するとAは書類をまとめて、俺のところへ持ってきた。
「これ、お願い」
「まだあんの？」
「あとこれも。こっちはさっきと違うやつだからよく見てね。あとそれ終わったらファイルの整理もお願い。それと、「ちょっと待て！いくらなんでも多すぎ……」
俺は物申そうとしたが、それはAの手によって阻まれた。
「それと……香坂のこと、好きだよ。結構前から」
そう言うとすっと、Aは俺の口から手を放した。聞き間違いじゃなければ、確かに「好きだよ」と言っていた。
「そんな連絡事項と一緒に言わんといて……」
「驚いたでしょ」
俺はその場にしゃがみ込んで赤い顔を隠すために手で覆った。
「で、返事は？」
俺はニコニコと笑うAに近づいて、「俺も好き」と囁いた。
少女漫画のヒロインみたいに/uszw→←君の隣を許されたら/ky
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蘭(プロフ) - なめこさん» そう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもキュンキュンするお話頑張って書きます！ (2020年1月8日 6時) (
レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年1月7日 21時) (レス) id: 136e05d453 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蘭 | 作成日時：2019年11月30日 10時
