君に聞きたいこと/ky ページ18
「そろそろもういいでしょうか……」
質問をたくさんされてまるでインタビューでもされる芸能人にでもなった気分だ。下校時間も近くなってきたし清川くんもそろそろ質問のしすぎで疲れているのではないだろうか。
「もうこんな時間かー。Aさんと話してるとあっという間だな」
さらりと少女漫画のイケメンのような台詞を吐かれるとドキッとしてしまう。私だって一応女の子、それに日陰で生きてきた私に声をかけてくれる人なんてごく僅かだった。こうして男子と長話をすることだって初めてだ。
「ねえ、最後に一つ質問していい？」
人差し指を立て、ニコニコしながら清川くんは言った。まあ一つなら……と思い私は頷いた。
「Aさんは、俺のこと好き？」
その質問に思わず固まってしまう。彼の言う好きとはどう言う意味だろうか。likeかloveかによって好きの意味は全然違うものになってしまう。でもそれを聞くのもなんだか恥ずかしくて出来そうにない。私があれやこれやと悩んでる間にも清川くんは期待の眼差しをこちらに向けている。
彼と話すようになってまだ数週間だが多分、どちらかと言えば＿＿
「好き？です」
「なんで疑問形！？」
「ご、ごめんなさい。まだ話すようになって少ししか経ってないし、難しくて。でも、こうして清川くんと話しているのは嫌いじゃ、ないです」
思ったことをそのまま伝えたのだが清川くんは黙り込んでしまった。何かまずい事を言ってしまったのかと不安になり、声をかけようとすると
「ほんとに！？」
と言って手を握ってきた。
「それって、期待してもいいってことだよね？」
「は……」
清川くんは周りに今にも花びらが舞いそうな勢いで喜んでいる。いまいちどういうことか理解出来ないが何かを期待されているのは分かる。
「俺、明日もここに来ていい？」
「私に断る権利はないです」
「じゃあまた来るから！」
そう言って清川くんは教室を飛び出ていった。
しばらく本を読むことは出来なさそうだが、清川くんの話に付き合うのも悪くないかもしれない。明日の放課後が楽しみな自分がいるのは、清川くんには秘密にしておこう。
この胸の高鳴りも、まだ彼には秘密。
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蘭(プロフ) - なめこさん» そう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもキュンキュンするお話頑張って書きます！ (2020年1月8日 6時) (
レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年1月7日 21時) (レス) id: 136e05d453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2019年11月30日 10時
