7日目 ページ7
「…覚えてねぇなぁ」
そこだけはハッキリと答えてくれなかった。
少しの間があって声のトーンが変わって。
バカでも感じた教えないという圧に何も聞けなくなった。
『そっかぁー!』
それ以上先輩の事を知ると突き放される気がしてわざと気付かないふりをして明るく振舞った。
せっかくのデートを台無しにする気は無い。
好みに関することは聞けたから少しでも近づけるように頑張ろう。
そうと決まれば自然と今日行きたい場所が決まった。
『先輩!!』
「ん?」
『先輩に好きになって貰えるように頑張ります…!
だからとことん付き合って下さい!』
「いーよ♡」
嫌な顔せず笑ってくれる先輩はやっぱり大人だ。
それから私の行きたいところしたいこと欲しいもの全部に付き合ってくれた。
何をしたって嫌な顔しない先輩にもっと惚れた。
時間はあっという間ですぐに日は暮れた。
『あーあ、時間ってあっという間ですね…』
「んー?Aは寂しいのかぁ?」
ニヤニヤといつもからかってくる先輩に悔しくなって反撃したくなった。
『…寂しいですよ?』
「…」
勇気を出したものの途端に恥ずかしくなって顔を逸らす。
『っ〜…やっぱ今のなしで______』
「家、来る?」
『っえ…』
突然のお誘い。
何も準備していないし、何より私はハジメテだし…
「弟、いるかもだけど。
もう少し一緒にいれんじゃね?」
『あ、その…』
結局、先輩のお家へは行かなかった。
今はそのタイミングじゃないと思った。
______『わ、私今日は帰ります…!』
先輩を置いて走って逃げてしまった。
私は先輩と付き合えてるだけで嬉しい。
でも、身体の関係になりたいわけじゃない。
これで、振られたらしょうがないなぁなんて1人で陽の沈む道を肩を落として帰った。
家に帰ってお風呂から上がれば1件のメールが入ってた。
パカッとケータイを開くと送信者は先輩からで。
もう振られるのかなと恐る恐る内容を読んだ。
"ちゃんと家帰れたかぁ?
また明日な"
振られると思っていた内容では無くて、逃げてしまった私を心配してくれるそのメールに涙が滲んだ。
よかった…
先輩は身体が目当てじゃないんだ…
送られてきたメールに涙ぐみながら1文字1文字丁寧に考え返事を返した。
268人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
7℃(プロフ) - ありやけさんさん» え、本当ですか…では頑張って更新します、、 (2021年11月12日 20時) (レス) id: a3f6717434 (このIDを非表示/違反報告)
ありやけさん(プロフ) - すきすぎる… (2021年11月6日 21時) (レス) @page15 id: 5965475948 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:7℃ | 作成日時:2021年10月14日 8時