2９（ＹＧ side） ページ30
馬鹿みたいな高級車に乗せられて、
着いた先はまた高そうなマンション。
見たところ誰も住んでなさそうだが、
兎に角綺麗で最低限のものはそろっていた。
ＹＧ「山奥じゃねぇじゃん」
『…最低限の衣食住は用意するので、働いて返してください』
ＹＧ「なにそれ」
こいつは何を言っているんだ。
『とりあえず一か月休み無し、給料無しで働いてもらいます』
ＹＧ「本気で言ってる？」
『二か月目から貯めるなら貯めて、勝手に出て行ってください』
スマホをいじりながら、
どうせ行く場所無いんでしょ？と当然のように首を傾げる。
ＹＧ「…あんたにメリットは？」
『あんたじゃありません。
Aです。オーナーと呼んでください』
ＹＧ「あ、うん」
整った顔面と鼻の先同士がくっついて、
よろけそうになるのを必死で耐えた。
『…人手不足なんです。
今のところ従業員は二名だけなので、あと一人くらいは欲しい』
ＹＧ「あっそ」
『あっそって…働きますか、働きませんか。』
不満そうなA。
なんか知らないけど、
ここで首を縦に振ったら俺の人生は面白くなる気がした。
ＹＧ「働く」
薄汚れた東京で、
何故かこの部屋の空気だけは透き通っている。
本能的にそう感じた。
『手始めに事務作業お願いします。発注のやり方教えますね』
ＹＧ「容赦ないね」
いきなり仕事をふるA。
手にはタブレット。
難しそうな表のデータ。
何処から出してきた。
『文句あるなら冷たいコンクリートに頬をよせて過ごしてください』
スンっと真顔になる彼に、兜を脱ぐ他無く。
わずかにあった戦意は飛んで行った。
ＹＧ「…どうやんの」
大人しく受け取ると、
Aは満足そうに口の端をあげて説明をし始める。
『この番号が店の番号で、昨日出た分のシャンパンや割物、リキュールを頼みます』
ＹＧ「…こういうこと？」
見様見真似で数字を打ち込むと、
タブレットを覗き込んだAがスクロールしながら顎を触った。
『…これだと緑茶が１００本届く事になりますね』
ＹＧ「…」
『馬鹿なんですか？』
ＹＧ「笑うなよ…」
場違いに大きな笑い声。
思い返せば、こんなに笑ったのは久しぶりだった。
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ひんやりだんご(プロフ) - (°▽°)ははっさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございます！！今後も宜しくお願いします！ (2022年10月3日 3時) (
レス) id: 5b9fe632c1 (このIDを非表示/違反報告)
(°▽°)ははっ - 完結お疲れさまでした。 最後までとても素敵な作品でした！ この作品、そしてひんやりだんごさんに出会えて良かったです‼ これからも無理せずお過ごしください！ (2022年10月1日 13時) (レス) @page50 id: 110f0c4dc2 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご(プロフ) - (°▽°)ははっさん» あぁぁ嬉しいです😭気長に更新お待ちください🙇 (2022年7月11日 12時) (レス) id: afad0f2202 (このIDを非表示/違反報告)
(°▽°)ははっ - このお話も、大好きになりました！ 主様天才ですか？ 更新応援してます‼☺ (2022年7月8日 21時) (レス) @page14 id: 110f0c4dc2 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご(プロフ) - れみさん» 嬉しいコメントありがとうございます！☺️更新頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします！ (2022年6月27日 3時) (レス) @page14 id: aed4fff647 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひんやりだんご | 作成日時：2022年5月28日 16時
