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サインペンを持ってAは俺の隣に座る。
「ん?」
「貸して!」
「はい」
カップを渡すとAはサインペンを走らせる。
「できた!」
「ん?なにが?」
「メッセージ!」
ふふふ、と笑ってメンバーの元に駆け寄っていき次のカップを掴む。
『撮影おつかれさま!完成楽しみだね』
と書かれてわざわざサインまで。
「今飲んでるからあとでー」
「今でないとダメです!貸してください!」
やましょーさんはAに、べーっと舌を出す。
「もうやましょーさんは書いてあげない!」
「いらんいらん」
「A、マース描いて」
「猫じゃなくて、マース!?」
Aの元にやって来た樹は頷いて
携帯の画面を見せる。
「猫でいい?」
「マース」
「猫」
「マース」
「猫」
「マース」
Aはため息をついて画面を見ながら書き始める。
「……ブス」
「し、仕方ないよ!カップでは無理!」
「紙でも無理だろ」
完成したマースでも猫とも言えないそれをやましょーさんの辛辣なコメントで切られるAは次に向かった。
なんでこんなこと始めたか
どうせ気まぐれな遊びなんだろうけど。
翔平は優しい顔でAを見る。
あの日以来、少し壱馬とは気まずいみたいだ。
「北人さん」
「な、なに?」
「…なんて書いてもらいましたか」
慎は全員のカップをリサーチ。
「普通に、お疲れ様って」
「…そうですか」
慎もあの日から少し様子がおかしい。
結局俺たちはきっとこの先も
Aを見つめて
Aに振り回されながら
「ほーくちゃん」
毎日を振り返っては愛しく思うんだ思う。
「次はどうしたの?」
「追加」
「ん?」
特別な日じゃなくていい。
特別な朝も夜もいらない。
ただ、毎日笑顔を見れたらそれでいい。
『見るより話しかけて!!』
追加で書かれた文字に顔をあげる。
「えっ」
「そんなに見られたら穴開いちゃうよ」
恥ずかしそうに笑うAは隣に座る。
「…そんなに見てた?」
「うん、今日はいつもの倍」
「倍!?」
「ほくちゃんっていつも見てるよね?
私話しかけにくいオーラでも出てる!?」
Aは驚いたような顔をするけど
そんなことは全くない。
俺がただ見ていたいだけって話で
Aと話したいとかじゃなくて
いや話したいけど
でもAを見てるだけで
楽しくて嬉しくて
好きだなーって実感する時間が
結構心地いい。
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やなぎ(プロフ) - ずっと3まで繰り返し読んでいたのですが、4も出されていたのですね!読みたいのですがパスワード教えていただけないでしょうか… (2021年1月17日 0時) (レス) id: 9aa5824c73 (このIDを非表示/違反報告)
しろ - 4の方読ませていただきたいのですが、パスワード設定になっておりますので、解放していただくことは可能でしょうか?( ; ; ) (2020年12月27日 20時) (レス) id: 6f69a06b14 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - 梨味さんの書く作品、めっちゃ好きです!ドキドキハンパないです!特に壱馬くんと翔平君はめっちゃリアルっぽくて好きです!これからも更新楽しみにしてます! (2020年3月14日 15時) (レス) id: 27389578a5 (このIDを非表示/違反報告)
梨味(プロフ) - ryoさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて大変嬉しいです!ゆっくりにはなりますが更新頑張らせていただきます! (2020年2月21日 17時) (レス) id: 190515c801 (このIDを非表示/違反報告)
梨味(プロフ) - こうさん» 修正をしながら少しずつ更新しておりました。お待たせしてしまい申し訳ありません (2020年2月21日 17時) (レス) id: 190515c801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨味 | 作成日時:2019年9月28日 16時