紅一点、君は百点、僕らは満点 ３

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そっか、キスマークか。

唇に今でも思い出す肌の感触が
あんなに怒る原因か…



「壱馬くん、しないでよ？」

「うん、わかってるわかってる」


マーキングごときで無視されるなら
絶対にもうせえへん。たぶん。



「みんなに見られたくないし
本当に、隠すの大変だったんだから」


「俺、見えるとこにつけてへんやん」

「壱馬くんのせいで陸く…なんでもない！」

顔を背けるA



キスマークが陸さんにバレたんか。


「陸さんにバレたから無視してたん？」

「そうじゃないけど…」

「けど？」

「…陸くんが教えてくれて……」



陸さんはこの前、キスしたって言ってた。


キスマークを見つけたなら
キスマークをつけるだけでいいはずなのに

見えるところにつけたのは陸さんで
その陸さんはキスまでしているわけで



「で、キスまでされたと」

「そ、れは…」

口ごもるAを見る限り、事実か。



Aの欲しいものはなんだってあげる。

同時にAが嫌なことはしない。



でも、キスまでされてるAに
嫌なことはしない、なんて言えなくて



「どういうキス？」

「えっ！？」

「どんなキス？種類あるやん」


Aは真っ赤な顔をして
俺から逃げようとするがここはソファー。



逃げられないように

細い足首を片方でも掴めれば動けなくなる。




「A」

「そ、そんなの言う必要ないよ！」

背にしていたクッションを掴んで
俺に押しつけるけどこんなクッション

なんの盾にも、壁にもならない。




「教えて？」

「嫌！壱馬くん絶対同じことする！」



・・・・うん、する。

絶対、陸さんのよりやばいやつする。
そんなんしたいに決まってる。


空気感？でわかるのはAも一緒か。




「俺とAしかおらんしええやん」

「そういうことじゃないっ！」




「…てか、邪魔やねん」

Aが押しつけてくるクッションを床に投げ捨てる。




「なんで壱馬くんが怒ってるの！？」

「…クッション邪魔やからやん」




距離作るクッションなんか邪魔、いらん。



俺のキスマークが他の男のキスマークで
上書きされてる記憶もいらん。


Aとの邪魔になるもんはいらへん。



着てる服、布１枚すら邪魔に思うのに
なんで他のもんにまで邪魔されなあかんの。





「あー、もうええ」

「わっ」


そのまま上乗りになって驚くAを無視して覆い被さる。



肌だけを重ねていたいけど
そんな関係にはまだなれそうにない。


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