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K.K ページ43





深夜2時。

リビングに行くとAがいた。



「A?」


「か、かずまくん!」

Aは目を少し赤くしてこちらを見た。



「どないしたん?泣いたん?」


「な、なんにもない。ほっといて」

Aは直ぐに顔をクッションに埋める。



「…A」

「・・・」

「ごめん」

ソファーで体を小さく折り畳むAの隣に座る。



「・・・悪いと思ってる?」

「うん」


「ほんと?」

「うん」


「もう、絶対にしない?」

「…うん」



何を絶対にしないと誓えばいいのか
頭をフル回転させる。


おそらく、おそらくだけど

キスではない。



ドラマでもAは俳優さんとキスしてるし


前に雑誌の撮影のときキスしたけど


あのときめちゃくちゃ怒られて
少しだけツンツン素っ気ない態度をされて

でもここまで無視をされたり
喋らないほっとけとは言われなかった。


あのときの反応が可愛くて
何をしてもそのくらいで済むと思ってた



でもここまでAが怒るって

どれだろ?


とりあえず謎のまま返事をしたけど…




「じゃあ…許す…」

「ありがとう」

あっさり許してもらえたのはラッキー。




正直、無視は堪える。



怒られて痛くもない猫パンチのような
非力なもので叩かれようとも

膨れた顔で目を反らされても

平気だ。




でも、無視はきつい。




確かに物理的に痛くはないけど


俺の声がAに届いてないようで



本当は俺の声が聞こえてないのかな、なんて


そんなことも考えてしまった。




「そんで、こんな時間に何してんの」

「うん…ちょっと寝れなくて」



俺の声に応えてくれる。

それがやけに久しぶりのように思えて
心がそれだけで震える。


俺に向けて今喋ってるAを
もっと欲しがってしまう。



「なんか飲む?」

「ううん、いらない」

「・・・」

「・・・」



続かない会話。それが苦ではない。

俺とAは昔から山ほど
会話を弾ませる方でもなかったし、


なんか空気感?

そういうのでなんとなくわかることが
多くあるほうで




「なんかしてほしいことある?」

「……ここにいてくれたらいい」

「そーか」




Aが今どうしても泣きたいってことは

そのいわゆる空気感?

みたいなやつでわかってしまう。




とりあえず、ここにいてほしいと
Aが言うなら、俺はここにいるしかない。




.→←.



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やなぎ(プロフ) - ずっと3まで繰り返し読んでいたのですが、4も出されていたのですね!読みたいのですがパスワード教えていただけないでしょうか… (2021年1月17日 0時) (レス) id: 9aa5824c73 (このIDを非表示/違反報告)
しろ - 4の方読ませていただきたいのですが、パスワード設定になっておりますので、解放していただくことは可能でしょうか?( ; ; ) (2020年12月27日 20時) (レス) id: 6f69a06b14 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - 梨味さんの書く作品、めっちゃ好きです!ドキドキハンパないです!特に壱馬くんと翔平君はめっちゃリアルっぽくて好きです!これからも更新楽しみにしてます! (2020年3月14日 15時) (レス) id: 27389578a5 (このIDを非表示/違反報告)
梨味(プロフ) - ryoさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて大変嬉しいです!ゆっくりにはなりますが更新頑張らせていただきます! (2020年2月21日 17時) (レス) id: 190515c801 (このIDを非表示/違反報告)
梨味(プロフ) - こうさん» 修正をしながら少しずつ更新しておりました。お待たせしてしまい申し訳ありません (2020年2月21日 17時) (レス) id: 190515c801 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梨味 | 作成日時:2019年9月28日 16時

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