紅一点、君は百点、僕らは満点 ３

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別に今に始まったことじゃない。


翔平がAと仲良しなのも
翔平ばっかりがAの特別なもの

ずっと変わらない。



でも、そうなるとさ…

俺はこないだAと観たドラマを
思い出さずにはいられない。



俺はきっとどちらの男にもなれずに
Aを悩ます存在にもなれない。


だってAの心をずっと支えて
いつも笑顔を守って

笑顔にさせるのは、いつだって翔平だから。



「トントントントン」
「うっひょっひょっ」

２人で仲良くスマホを観て動画を撮ってる。




結局、誰がAにキスをしても

Aは翔平がいればきっと笑顔になる


なんだかんだ翔平にはいつも勝てない…




「おい、藤原樹」

「なに」

「その顔やめろ。Aが心配する」

翔平は俺が座る前にあるお菓子を取って
小声でそう言った。


「Aとまこっちゃんはお菓子を食べな」

「えっ、いいの！？」

「大丈夫、怒られたら藤原樹のせいに」

「あっ、それはダメだって」


翔平はケタケタ笑って俺をAの前に座らせた。


「はいはい、いちゅきも食べなさい」

「いちゅき…」

まこっちゃんが笑いを堪える。



「いちゅき！可愛い！」

「Aが言うと破壊力やっばいわ」

翔平はさりげなくAの頭を撫でた。


「ねえねえ、この撮影終わったら
翔平一緒に帰れる？どこか寄ろうよ！」

「あー…それが私は事務所にて
このあと打ち合わせがありましてなぁ」

「ええっ！なんで！！」


なんでも何も仕事だろ…



「まこつたち一緒に帰ってあげて？
２人に任せる！Aをよろしく！」


「えー、翔平とアメコ行きたかった」


「じゃあ明日、行こ？な？」

ふてくされるAの頬をつつく翔平。
頬をつかれたAはご満足なのか笑う。


「明日絶対だよ？」

「はいはい。まこっちゃんは空いてる？」

「あ…、いいですか？」

Aは慎の問いかけに頷くと
すぐにスマホでメニューを２人に見せる。


「これ飲みたい！」

「・・・俺は普通ので」

「じゃあ同じの飲むかな。藤原樹は？どうする？」


「え？」

翔平は不思議そうに俺を見る。


「明日、どれ飲む？」

「いちゅきくんも来るでしょ？」

Aまで不思議そうにする。



え、俺誘われてた？そんな会話あった？

聞き逃してますか？俺



「おーい、藤原樹？」

「あ、行く」

「どれ？」

スマホを見せてくる翔平は不思議そうに首を捻った。



今、首をひねりたいのは俺だけど。


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