紅一点、君は百点、僕らは満点 ３

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「あれ？みんな部屋行っちゃったの？」

「３話終わったら一斉に」

「えー、ありえない！待っててよー」

笑いながらそう言ってテーブルに置かれたカップを持つ。


「ありがとう、樹くん」

「ん」

「はあぁ、やっぱりタクミさん素敵…
ハルマくんもいいんだけどなー」




タクミはさっきのドラマの男の名前で
３話で去っていき６話で戻ってきた男のこと。

ハルマはヒロインに惹かれている男。
ヒロインがタクミを好きなことに
悩みながらもアピールをしている役だ。



俺はタクミがいいやつだなんて思えない。


ヒロインに好きだと告白されたのに
気持ちに答えずヒロインのもとを去った

なのに、戻ってきたら
ヒロインに会いたくなったからなんて。



ヒロインの告白には答えなくて
ハルマがヒロインを好きなことを知ってて

思わせぶりなことを言って戻ってくるのは


いい男なんだろうか。



「はー、これ絶対ハルマくんとくっついちゃうんだろうな」


「ハルマでいいじゃん」


「あーわかってない！わかってないよ樹くん」


カップを置いて体をこちらに向けるA



「いい？樹くん
ハルマは意地悪ばっかりする嫌なやつで
それが急に優しくなるとドキマギなの！
直ぐ受け入れて、いい人ね！とはならないの」


まー確かに、ハルマはヒロインに
意地悪ばっかりしていて最低な男だった。

それがタクミがいなくなったことで
急に優しくなってアピールを始める。



「でもタクミさんはいつも
ヒロインの心に寄り添ってくれてるの！
告白は上手くいかなかったけど
それでもいつも心を支えてくれてるの！」


「ふーん」


「そんな心の支えとは別で
ヒロインがハルマに恋をしていくの！
そしたらタクミさんもヒロインに
本気になって、でもフラれるの！」


フラれるの確定かよ…。




「ヒロインの初恋はタクミさんだけど、
それを超えちゃうくらいハルマは強烈！」



まぁ、第一印象悪い方が後々良くなったとき
普通の何倍も良く見えることもあるしな…





「お互い心の支えなのに恋って気づく
タイミングが違うだけで叶わない
そういうキャラがフラれるのが切なくて
これまたきゅんとくるんだよね！」





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