事件 ページ28
「あ、Aちゃん」
『あ、先輩、こんばんは・・・』
「めっちゃ息切れてるけど大丈夫か？」
あの後もう一回飛び降りたせいで、体力というか気力が大幅に削られた・・・
しかし流石に気持ちを切り替えないとまずい。
今も先輩のポケットに入っているであろう呪物は、危険な気配をビシビシ発している。
本当は隠して捨ててしまっても良かったのだが、発見当初はそこまで危険性を感じていなかったのだ。
少々楽天的すぎた。
過去の自分を非難しながら、部室まで先輩達と移動する。
興味本位でついてきたであろう皆さんも、先輩を目の前にした瞬間固まっていた。
「よいしょっと」
先輩が何故か持っている鍵で部室を開ける。
何で持ってんの？
『明かりはつけないんですか？』
「蝋燭を持ってきたから、明かりはそれよ」
いや、用意周到すぎる。
「じゃ、始めましょうか」
その言葉を聞いて、グルッペンさん達とアイコンタクトをとる。
頷き返してくれたのを確認して、目の前の呪物に視線を移した。
「とれないわね〜」
「わざわざ学校に忍び込んでやることか？」
「馬鹿ね、こういうのは雰囲気が大事でしょ」
先輩にとっては、周りの状態もポイントらしい。
わざわざ蝋燭をたてたりするのも、そういう雰囲気に浸りたいからなのだろう。
呪霊が見えないのだから仕方ないのだが、見える人からすると逆に羨ましい。
「あっ、とれた！とれたわよ！」
ハラリと落ちる封印の紙。
あらわになった呪物を覗き込んでみると。
「うっわ！」
「どうした！？」
そこにあったのは・・・
『人間の・・・指・・・？』
何だか妙に気持ち悪い、人間の指のようなものだった。
封印が解かれると同時に発せられる圧も増え、思わず足がひけてくる。
「っ！？おい、Aっ！」
「後ろっ、見てっ！」
不意に叫んだ彼らに驚いて後ろを振り返ると、天井から呪霊達が姿を現すところだった。
『先輩！逃げてくださいっ！』
咄嗟に部室の扉を開け、先輩達を急き立てる。
先輩達も降り立った呪霊に気づいたらしく、一拍置いた後に逃げ出した。
先輩も呪霊が見えてるとか、そんなことを気にしてる場合ではない。
とにかく先輩を逃がさないとっ・・・
『先輩？どこ行ったんですかっ！？』
姿を見失ってしまった。
呪霊の恐怖と先輩への不安で足がすくむ。
「逃げるでっ！Aちゃんじゃここは危険や！」
「もう学校全域に呪霊は広がってるっ！とりあえず屋上に行こう！」
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ソーダ@炭酸檸檬(プロフ) - フラッペさん» コメントありがとうございます！嬉しい言葉をありがとうございます。只今執筆が遅れている状態ではありますが、続編の方も気長にお待ちいただければ幸いです。これからもこのシリーズをよろしくお願いします！ (2022年2月7日 9時) (
レス) id: e2773ed03f (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - 初めて見ましたが余りの面白さに一気見をしてしまいました！！この後の、登場人物の動きがすごく気になります。作者さんのスピードで更新していただけると幸いです！これからも応援しています！！！ (2022年2月6日 23時) (レス) @page50 id: 95d319f9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ネズミ?(プロフ) - ソーダ@炭酸檸檬さん» 分かりました。返信ありがとうございます。これからも頑張ってください！ (2022年1月14日 18時) (レス) id: 7eb719262b (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ@炭酸檸檬(プロフ) - 碧さん» コメントありがとうございます！最後まで読んでいただきありがとうございました。下に書いた通り、話が出来上がり次第パスワードは外しますので、それまでお待ちいただけると幸いです。今後もこのシリーズをよろしくお願いします。 (2022年1月14日 8時) (レス) id: e2773ed03f (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ@炭酸檸檬(プロフ) - ネズミ?さん» コメントありがとうございます！この作品を閲覧いただきありがとうございます。続編はまだ執筆が進んでいないので、話が出来上がり次第パスワードを外します。それまでお待ち下さい、すみません。今後もこのシリーズをよろしくお願いします。 (2022年1月14日 8時) (レス) id: e2773ed03f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーダ@炭酸檸檬 | 作成日時：2021年2月10日 12時
