邂逅 ページ3
とある日曜日の昼下がり。
田舎ということもあって、駅前でも人影はまばら。
私は友達との買い物を済ませ、どうせならと少し遠回りで帰宅している所だ。
視界に入ってくる変なヤツらをどうにか見ないようにして歩いていると、ふと前方に目が留まった。
『えっ、軍服？』
そう、道の反対側には何と、軍隊の制服を身につけた男が三人立っていたのだった。
しきりに辺りを見回し、何かを探しているような素振りを見せている。
不審極まりない。
この辺に軍事基地なんてないし、そもそも日本軍の格好でもない。
自衛隊の服装でもないとすると、何かのコスプレだろうか。
こんな田舎でやってもどうしようもないのでは？
もしかして通報した方がいいのかな、と鞄を漁ろうとした時、突然三人の姿が消えた。
『へっ？』
「こんにちはお嬢さん」
『わぎゃっ！』
目を瞬かせていると、いきなり耳元で声がした。
振り向けば、こちらを覗き込んでいる軍服が一人。
よく見ると瑠璃紺の髪をしていて、いよいよコスプレ感が強まる。
しかし随分と身長が高いな、と足元を見ると。
『ってうわー！？浮いてる！？』
それもそのはず、男は宙に浮いていた。
驚きで言葉が出てこず、ただぱくぱくと唇を動かす。
・・・落ち着け、動揺を悟られるな。
頭から爪先まで視線を巡らせ、もう一度男の顔を見る。
眼鏡の奥の濁った目が胡散臭い。
男がニヤリと口元を歪ませた。
「いきなりですまないんやけど、ちょっと話があんねん。ついてきてくれんか？」
『えっ、いや、ちょっと』
「頼むわ！悪いようにはせんから」
この通り、と言う風に手を合わせる男。
前髪の下からだらしない表情が透けている。
私が簡単に折れると思ってるんだろう。
『わかりました』
折れてあげようじゃないか。
いくら変なヤツと言っても、直接の害はなさそうだ。
それに私が受けなかったら、他の人が被害に遭うかもしれない。
いざとなったら殴れば大丈夫。多分。
「おっ、ほんま？ありがとうなぁ、じゃあついてきてや」
パッと笑顔になって動き出す男。
その顔は相変わらず胡散臭くて、何だか面倒事になりそうな予感がした。
でもいい。
もう見て見ぬフリはしたくない。
決意を胸に刻んで、男の後を追った。
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ソーダ@炭酸檸檬(プロフ) - フラッペさん» コメントありがとうございます！嬉しい言葉をありがとうございます。只今執筆が遅れている状態ではありますが、続編の方も気長にお待ちいただければ幸いです。これからもこのシリーズをよろしくお願いします！ (2022年2月7日 9時) (
レス) id: e2773ed03f (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - 初めて見ましたが余りの面白さに一気見をしてしまいました！！この後の、登場人物の動きがすごく気になります。作者さんのスピードで更新していただけると幸いです！これからも応援しています！！！ (2022年2月6日 23時) (レス) @page50 id: 95d319f9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ネズミ?(プロフ) - ソーダ@炭酸檸檬さん» 分かりました。返信ありがとうございます。これからも頑張ってください！ (2022年1月14日 18時) (レス) id: 7eb719262b (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ@炭酸檸檬(プロフ) - 碧さん» コメントありがとうございます！最後まで読んでいただきありがとうございました。下に書いた通り、話が出来上がり次第パスワードは外しますので、それまでお待ちいただけると幸いです。今後もこのシリーズをよろしくお願いします。 (2022年1月14日 8時) (レス) id: e2773ed03f (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ@炭酸檸檬(プロフ) - ネズミ?さん» コメントありがとうございます！この作品を閲覧いただきありがとうございます。続編はまだ執筆が進んでいないので、話が出来上がり次第パスワードを外します。それまでお待ち下さい、すみません。今後もこのシリーズをよろしくお願いします。 (2022年1月14日 8時) (レス) id: e2773ed03f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーダ@炭酸檸檬 | 作成日時：2021年2月10日 12時
