幼なじみ攻略法.⑵【川村壱馬】 (ページ27)

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Aが出ていって数分。
ソワソワして、しゃーない。

また窓から下を見る。

話している、2人の男女。
ネガティブな考えが頭をよぎる。

壱「行くか、」

結局、居てもたってもおられへんくなって上着を羽織って俺も外へ出る。

下まで降りて、死角になるところで聞き耳を立てる。

ボソボソと話す声が聞こえてくる。

陸「この前の事なんだけど…」

男が話す。
この前？いつや、

『あー、私も言い過ぎたなって。すみませんでした』

言いすぎた？何を？
どれだけ近くにおったってAがどこで何してたかなんてそこまで分かるわけじゃない。

だからこそ、もどかしい。

陸「実はさ僕、彼女と別れたんだ」

男が言う。
なるほど、それで次はAに乗り換えって事か。

軽いなぁ。

『はい？』

ほら、Aが困ってる。

陸「彼女に叱られちゃった、」

『はぁ、』

何言うてるん。
別れたって何でやねん。

陸「Aと駅前の信号で話してるの、彼女が見てたみたいで

Aに"顔みたくない"って言われて傷付いた顔してたんだって、僕」

だから何やねん。
Aにそこまで言わすって、相当やぞ。

にしても、寒い。
こんな中でまだ喋るんか、A可哀想やろ。

陸「彼女が、"陸くんが好きなのは私じゃなくてAさんでしょ"って。

それでさ、僕気づいたんだけど」

『ちょ、え？待ってもらっていいですか、』

あからさまにテンパってるA。
困るわ、そんなん言われたら。

ちょっとは俺に傾いてたのに。