＿＿＿15 ページ21
「あー、ご飯食べたけどまたお腹すいてき――――んむぐっ！？」
「暴れんなよォ、
後ろから急に口元を抑えられて。複数人いる。少なくとも私を羽交い絞めにしている奴と、喋っている奴は違う人物。
手に思いっきり嚙みついて、怯んだ隙に急所を思いっきり蹴り上げる。手応えはあったけど、さすがに一人で出来ることは限られていた。
何か、布のようなものを充てられて。急速に意識が遠のいていく。
「しっかし、こうして見ると超イイ女じゃねぇか？…マイキー、下賜してくんねぇかなーーー」
「流石に、手を出すのは駄目っスよ、三途さん」
「お、やっぱお前もそう思う？」
そんな会話がどこか遠くで聞こえたような気がして。プツン、とテレビの電源を切ったかのように、視界が真っ暗になった。
水面から顔を出すように、私の意識もゆっくりと浮上していく。
…うーん、何か柔らかい。多分ベッド。それにしても私、誰か違う人のベッドで目を覚ます展開、異様に多すぎやしないだろうか。
ゆっくりと瞼を開けば、すぐそこに座っていた男と目が合った。
「ようやく目を覚ましたか。…手荒なことして、悪かった」
白銀の髪。対照的に、闇のように真黒な瞳は、記憶の中の誰かを彷彿とさせる。
「―――久し振り。オレのこと、忘れちまったか？」
……彼、佐野万次郎は、そう言って小さく微笑んだ。
「え、ちょっとマジで万次郎？」
「おう」
如何やら本物らしい。だがしかし、今の私が一番気になるのは、ここがどこなのかとか、何でこんな事になったのかとかではなく、
「え、ちょっとそのクマどしたの！？私も仕事で2徹くらいすることあるけどさ、さすがにそんなひどいことにはならないよ！？」
……ただひたすらに、目の下のクマだった。
「最近あんま眠れてねぇから、」と薄く微笑む万次郎の肩に、私はガシッと両腕を置く。
「…万次郎」
「ん？」
「寝よう」
ベッドの上で膝立ちになって、そう諭したつもりだった。ちょうどここはベッドだし。万次郎はとにかく寝た方がいい。死ぬから。
「―――それはつまり、そういうことで良いんだよな？」
「…へ？」
―――なのになぜ私が、彼に押し倒される形となってしまったのか。
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ミツキmitsuki(プロフ) - さいっこうに面白かったです！みんなの特徴を捉えてて、本当にすごい… (12月30日 14時) (
レス) @page44 id: 75866be232 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 三ツ谷君かっこよすぎです。。。。。この作品に出会えてめちゃくちゃ幸せです。。。！ありがとうございます！！ (12月28日 1時) (レス) @page44 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 隆が男前すぎてキュンキュンが止まりません！完結おめでとうございます！ (7月8日 9時) (レス) @page44 id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - ドラケンがいない気がするけど気のせいでございましょうか？あと最っっっっっっ高です！ (2022年9月9日 18時) (レス) @page44 id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - この小説大好きすぎます。大好きです。消さないでください。 (2021年12月31日 9時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年9月25日 14時
