たらたら12 ページ13
ご飯を食べた後は、しんいち…面倒だしお兄さんでいいや。お兄さんが海に連れて行ってくれた。水着は持ってきてなかったので泳げはしないけど、いやー海って泳がなくてもいろいろと楽しいこといっぱいあるよな。
「それにしてもイザナ君て不思議な容姿してるね。髪の毛は薄い色なのに、肌は褐色っぽいし。おかしいな、メラニン色素的にありえない気が…」
「ばっ、そんな近付くんじゃねーよ！」
ぐぐいと顔を近づければ、真っ赤になって遠ざかろうとする。…ほうほう、なかなかに初心なところがあるではないか。やなやつだけど。お兄さんがにやにやとこっちを見つめてる。
「…どうせ、気持ち悪いって言うんだろ」
俯いたせいで、陰になってどんな顔をしているのか分からない。でもその声は、間違いようもなく暗くて。不思議になったので、すぐにプルプルと首を横に振った。
「ううん、すっごく綺麗だと思うよ。不思議だけど可愛い」
…幼稚園の時に作ったナス太郎に似てて。作り方は簡単、ナスのヘタの部分に白い毛糸玉の毛糸をちょうどいい長さに切ってぽすんとかぶせて、目と鼻と口も作った。
家に帰ったら即、麻婆豆腐の材料にされた可哀想なナス太郎。君のことは忘れるまで忘れないから。
えへへ、と笑いかければ驚いたように目を大きくさせてて。ん？そんなにびっくりすることか？気持ち悪いかと言われたからううんって言っただけ。なのになぜか、ものすごい勢いで向こうへ走っていく。どしたんだ。
「――惚れたか？、イザナ」
「べべ、別にそんなんじゃねえし！」
「いやぁ分かるぜ？可愛いもんな、Aちゃん。もうちょい大きくなったらたぶん、ビビるくらいの超絶美少女になるよ、あの子は。あと6,7歳上だったら俺もやばかった」
「だからそんなんじゃねえって！…真一郎こそ、女に振られてばっかだろ」
「…今それをほじくり返すなよ…」
何かごにょごにょと話していたのでよく分かんなかったけど、取り敢えずお兄さんが女の人に振られてばっかりだということは分かった。哀れだ。実に哀れだ。
「上手ぇじゃん、砂の城？」
「うん。でも、砂のお城ってなんか虚しい。所詮砂上の楼閣だよ」
「Aちゃんがホントに小2なのか時々疑わしくなる」
なんでだよ。見た目も中身も愛くるしい小2でしかないでしょうが。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2482人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キャラメルシュガー(プロフ) - まって..wwこのお話面白すぎて夜中なのに爆笑してしまったwww作者さん神‼️ (2022年8月18日 0時) (
レス) @page18 id: 9b02bb5cbf (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - 全部千冬が引き継ぎます!! (2021年9月3日 10時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - あとなんか知らんけどバジリスクが4ぬとこめちゃ冷静でした丸 思い言え無くて残念だったねバジリスク…君の無念はきっと千冬が果たしてくれるよ多分！ (2021年9月3日 9時) (レス) id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - なのはさん» なんか壮大なストーリーが始まる予感…っ!! (2021年9月3日 9時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雨降り星さん» そう…これが…黒い衝動の始まりだった…(((おやめなさい (2021年9月3日 9時) (レス) id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年8月21日 0時
