Episode17 ページ18
万次郎side
その日の学校の帰り道。一人で、何となく面白くない気分で、石ころを蹴りながら歩いていた時、前方にAの姿が見えた。
白とベージュの自転車に乗り、綺麗な黒髪をなびかせながら、ほぼ歩くスピードと変わらない緩やかさで蛇行運転をするA。
今朝あんなことがあったばかりで、自然と暗い気持ちになってしまうのを、頭を振って気付かないふりをして。
……と、不意にバイクに乗った誰かが万次郎の横を通り過ぎ、前にいたAに追いついた。
「―――A、今暇か？」
彼女の知り合いだろうか、額の痣が特徴的な青年。
(…ハッ、どうせまた、あいつに冷たくあしらわれるに決まってる)
酷ければ名前すら憶えられておらずにキョトンとされるかもしれない。最悪、無視。
冷たい対応をされるであろう彼を思うと、心の奥に昏い喜びが生まれる。
ざまあみろと名も知らぬ彼をバカにすることで、少しは気分が晴れ―――………
「あぁ、青宗。……んーん、ヒマじゃないし、バイクにも乗りませーん」
「…何で分かったんだよ」
「それくらいしか思いつかないしね。割とキミのことは知ってるつもり」
「………」
からかうような口調でAが言えば、頬を赤くしてうつむく青宗と呼ばれた青年。
――――あのAが、その形のいい口元に、柔らかな微笑を湛えて喋っている。
「………何だよ、ソレ」
どうしようもないくらいに動揺している。何で、どうして、あんな奴が。浮かび上がるのはそんな言葉ばかり。
アイツは一体Aとどういう関係なのか。いいやそれよりも、どうしてあんな親し気に話しかけてもらっているのか。―――どうして、名前を憶えてもらっているのか。
自分は何度話しかけても存在すら認知されているか怪しいくらいなのに、あんなにも容易く、Aと会話して。
どす黒い憎悪に似た感情が、沸々と煮立ち始める。
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グラニー京子 - 面白かった！ (2022年4月4日 14時) (
レス) @page38 id: 90faee3a30 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - ふゆきさん» 朱里ちゃんそこまで気に入っていただけるなんて…！番外編、楽しそうなんですけどね… (2021年12月30日 23時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - わかめさん» 返信遅くなってすいません！…ええっ、ほんとですかめっちゃ嬉しいです是非是非見てみたいです！！ (2021年12月30日 23時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - ももさん» ぐへへ、ほんとですか？←きも 愉快になっていただけたら嬉しいです！ (2021年12月30日 23時) (レス) @page37 id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき - 主人公ちゃんと朱里ちゃんの絡みが凄い好きです！番外編とかでみんなの日常編みたいなの作って欲しい… (2021年12月30日 9時) (レス) @page38 id: 0daf234829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年9月13日 23時
