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国の決めた法律に準ずれば、罪が重いのは断然彼の方だろう。
しかし私を“全肯定”してくれる人はごく少数だ。慰めてくれる人は大勢いるだろうけど。
“取り返しのつかないこと”の原因は、私ただ1人だけに課せられた、運命からなるものなのだから。
恋の「不浄」を私は知っている。
『ごめん。言い過ぎた。責めているわけじゃないの』
「……なんで、怒ってないん？俺は、お前の全てを奪ったのに」
『私のこれからは奪ったかも知れないけど、今までは奪えてないからさ。
許す許さないじゃなくて……手伝って欲しいだけなの』
残してしまった家族や恋人、友人にそれこそ×んでしまうほど懺悔してくれれば、別にいいからさ。
私を対象にしない懺悔。それだけが私を満たしてくれる。
その言葉は飲み込んで、私はシャオロンに向かいあった。
両手をついて私を見上げる彼は、渾名であった「太陽」とはかけ離れている。
狼狽えた、犬っころにしか見えない。
「もう一回言うけどさ、本当に……」
『うん、×んだよ。生き返ることもできない。でもその事実を責めるつもりはないから』
そう言うとシャオロンは苦虫を潰したように、しかし悲しげに顔を顰め、こう言った。
「分かった。何でもする。それで少しでも、Aに償えるなら」
その言葉を最後に、再び長い沈黙が訪れた。
きっと、汗を流し、真っ青な顔のシャオロンは、もう十分すぎるくらい反省と後悔をしている。
……やはり彼はただ夏の熱に浮かされたから、私を殺したのだろう。
計画など一ミリもしていない無計画さに、少し笑えてしまった。
『一旦、神社か寺に行って祓ってもらおうか』
「それがええな。近くの…『宇津島神社』にでも行くか。腕利きの厄祓いが奥にいるはず」
計画はすぐ決まった。
だが、彼が立つのにだいぶ時間がかかったせいで空には若干柑橘の色が滲んでいる。
しかし今こうやって運転をしているところを見ると大分ショックは薄れてきているようだ。
『腕利きの厄祓いさんか、あんまり首突っ込まない人がいいね』
「………せやな。「アイツ」やないとええねんけど」
シャオロンのいう“アイツ”を私は知らない。
大学で新しくできた友人か。それとも働き場所で出会った同僚か。
いずれにせよ、深く関わることはできないだろうが、
彼となかなか親しそうな「アイツさん」似合うのは少し楽しみだ。
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花氷 ベタ(プロフ) - 夢野さん、感想ありがとうございます！ (2022年7月16日 16時) (
レス) id: 728b26bf44 (このIDを非表示/違反報告)
夢野(プロフ) - うわあ好き(？)これからも更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！！！ (2022年7月16日 15時) (レス) id: 078c74bdad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花氷 ベタ | 作成日時：2022年7月16日 14時
