Just do it！【ヒロアカ】 (ページ6)

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猫カフェ【心操】ページ6

どうしてこうなったのか。

「先輩って個性強いけど、戦ってる時ダサいですよね」

『それ最近クラスメイトにも言われたんだけど』

自分へのご褒美として通い詰めている猫カフェに、突如心操くんが現れた。
……全く猫が寄りつかない私を小馬鹿にしながら。

猫を撫でるのが上手なのか、看板猫が膝に座っている。
少し羨ましいが、撫でさせてくれたからよしとしよう。

一応、私に良い印象を抱いてはいるんだろう。
少しずつ笑顔が見え始めた。

『いいの？私心操くんのつっけんどんな態度、まだ傷ついているんだけどなー』

「それは…謝ったから許してくださいよ…」

『まあ全然怒ってないけどね』

私がそういうと、少し睨んだようにこちらを見る心操くん。
こっちは先輩だからな。痛くも痒くもない。

睨むのも引っ掻くのも、正直可愛い後輩がやったら可愛いで済んでしまう。

自分は人に甘すぎるなと思いながら、私は再び心操くんに目を向ける。

まだ不機嫌そうな顔をする彼が面白くなり、頭を撫でると嫌がりながらも大人しくしてくれた。

「先輩って、俺といて楽しいですか？」

『楽しいというより落ち着くね。話題作らなくてもいいし』

「……俺、親しい人が先輩ぐらいしかいないんです。
だから、どうやっていいか分からなくて…冷たい言葉ばかり言ってしまう」

彼は人と関わるのが苦手なだけなんだろう。
本当は優しく温厚だったのに、周りの環境が彼を変えてしまった。そう言うタイプだろうな。

しかし心操くんが、悪に手を染めなかったという事実が嬉しくてたまらない。

私は彼に何もしてあげられないけれど、助言ぐらいはできるだろう。

『親しいって言っても、じっくり話したのは今日が初めてでしょ？
高校生活はこれからなんだから。心操くんを分かってくれる友達は必ずできるよ』

「必ずって、そんな確信どこから…」

『何でだろうね。私が今素敵な友人に囲まれてるからかな』

気長に頑張ります。といい膝の猫を撫でる心操くん。

また先輩ぶっちゃったなと思いながら、
私は猫じゃらしを手に取り、猫と戯れ始めることにした。