Just do it！【ヒロアカ】 (ページ27)

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君に触れる【波動】ページ27

波動ねじれ視点

私の大好きな子は、人一倍努力家で、
ほんの少しだけ弱虫だ。

そして、異常なほど私たちに合わせようとする。

＜私は個性だけだよ＞

Aちゃんの言葉が脳内にちらつく。

そんなことないって抱きしめたいけど、もっと苦しませちゃいそうで。
手を伸ばすこともできないの。

貴方の奥に触れたい。

私知ってるよ。

Aちゃんが頑張ってきたこと。

貴方の個性が、望まれていないことも。

『私の個性はね、突然変異で生まれたの』

懐かしむように、憐れむように。
墓場でも受け入れてくれないような、秘密を打ち明けてくれたのに。

私はただ手を握っていただけ。

『私の個性の本当の名前はね、』

みんな貴方を怖がるの。
でも貴方は、強すぎる個性を持っていただけ。

「……お願い、ねえ、そんなこと言わないで」

『ねじれちゃん、私が生きている。これは不運でしかないの』

『この個性は、みんなを不安にさせるだけなのに……』

Aちゃんはヴィランに個性を奪われることはない。
だって、奪われる前に殺されちゃうもの。

彼女の体内に仕込まれた、GPS。一個ではないことなんて、ずっと前から知っている。
体内までAちゃんは監視されているの？

万が一、彼女が悪の道に走った時は、

『私の家族、みんな死んじゃうよ』

Aちゃんの瞳は、このヒーロー社会の深淵をうつしていた。