Just do it！【ヒロアカ】 (ページ24)

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『ほんっとうに環くんには感謝しても仕切れないな……』

「そんな大したことしてないから」

ぬいぐるみを抱きしめてそう呟く彼女の手を握る。

勿論、怪しまれない為俺が提案したことだ。

凄い緊張してるし、見た目が幼いからと言って中身は普段のまま。

手汗やばいかもしれない……

本当は彼女ごと抱きしめたいほど疲れていたが、
引かれると(俺が)生きていけないので、ちゃんと踏みとどまった。

ほんのり伝わる体温。

最初は恥ずかしかったが、
今は……いや、まだ恥ずかしいな。

『ありがとう、環くんがいてくれたから本当に助かった』

まだ子供である彼女の、
その言葉に思わず心臓の鼓動が早くなる。

俺らは友人だ、ましてやただのクラスメイト。

違う、違うのに。

『あとこれ、今日のお礼』

かけられた声に、肩が跳ねる。
ばっと振り向いた時、すぐ近くにあったのは、可愛い蝶のキーホルダー。

明らかに先ほどのお店で買ったものではないそれを見て、
疑問よりも先に喜びが込み上げた。

「これどこで…？」

『1週間前にねじれちゃんと買い物してた時に、似合うだろうなって思って買ってきたの』

本当はカッコ良く渡したかったんだけどね。

そう照れ臭そうに笑う彼女がどうも憎めなくて、
頰があつくなるばかりだ。

『いろんな種類があってね、
ミリオくんの好きなラーメンもあったし、ねじれちゃんの好きな＿＿＿』

「……すごいね、行ってみたいな」

分かってた！！

友達思いのAさんだから分かってはいたけど！！

完全に期待してしまっていた自分が恥ずかしい。

と言ってもこちらが勝手に意識しているだけで、
彼女の接し方はいつもと変わらない。

側から見たらヤバいやつなんだろうな…と思いながら、
俺はそのキーホルダーを受けとった。

子供の彼女は、いつもより表情豊かだ。

俺の行動にころころと表情を変える彼女が可愛くてしょうがない。

……ちょっと待って、

「…………好きってことじゃん」

突っ立っていた自分に、置いてっちゃうよー！と少し遠くで笑う彼女。
自身の呟きが聞こえていなかったことに安堵する。

いつの間にか話されていた手の温もりが恋しくなったのには知らないふりをして。

俺はキーホルダーを鞄につけ、彼女のもとに向かった。